第4話:これ、どうしよう(2人)
(佐吉)
俺が自己紹介しただけなのに何故か頭痛を訴えた兄上そっくりな者はしばらくしてなんとか容体が回復した。
「だ…大丈夫か…?」
「あ、あぁ…大丈夫…だと思う」
いや、大丈夫じゃないと俺は思う。
「悪い、佐吉…俺は少し休む。しばらくは颯輝のふりをしていてくれないか…?」
そう青白い顔で言われて思わず分かったと頷いた俺は兄上そっくりな者によってバタンと閉められた奇妙な戸の音と共にポツンと部屋に残った。
「(…静かだな。奇妙な物は沢山あるが、物じたいの数はこれといって少ない…)」
そう思った俺は、机の布団から下りて部屋を探索することにした。
まずはその机の布団のすぐ側の…
「…随分と脚の高い文机だな…」
正面にあたる場所にはまた脚の長い座椅子があった。
「(あ、脚の長い座椅子だ…‼︎)」
その座椅子を後ろに引いてみると、コロコロと座椅子が動いた。
「(面白い‼︎)」
そう思った俺はしばらく脚長の座椅子を前に後ろに転がして遊んでいた。
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