ルームメイト
錆びたトタン、中途半端に新しい白い壁、二階の角部屋。
ごく普通のアパート、新生活をスタートするには申し分ない環境である、ここは田舎ではないが都会でもない、だがそのどちらにも駅からの近さにおいては私には勿体ないほどといえよう。
20000で貸し出されていることを考慮してもいわく付きを補って余りある。
一度、人のいい事で有名、見るからに優しそうな大家に聞いてみた事がある、聞いた瞬間目を見開き血相を変えその大家は私に特に理由はありゃぁしないよ、と私から少し距離を取って教えてくれた。
私が悪かった。
あの人こそこの世に迷い込んだ何らかの神の一種に違いない、あの方は迷える子羊を安部屋へと誘うのだ。
しつこく聞くと逃げる様子も女神の慎ましさを感じられる。
若者が今日も行く 老犬 @face-fan
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