部屋にて3

さて、いよいよ装置の説明に入ろう、

ひもでぶら下がった包丁、下に敷かれたふとん、以上。

賃貸アパートゆえ大きな改造は出来ぬが朝になれば落ちる包丁はそんなことお構いなしに私を過去の後悔から解き放ってくれるであろう

そのときの満月を見上げる力強い瞳はもはや絶望の方向に置ける希望ともいえただろう、自らの過去に思いを馳せてみるが思い出が特にないことを思い出として思い出す。

不毛な時間はかくも矢のように過ぎるものか、月の反対側はもう青白く光り始めている。

続きはまた明日だ。

本当に私に思い出は無いのだろうか、数十分ばかりの睡眠時間は僅かな思い出の再生につぎ込まれた


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