第17話特訓ですよ
翌日
〜学園内剣術及び魔法練習場〜
私の能力コントロールの特訓のためSクラス8人が集まっていた
殿下は2人に声をかける
「いいのかい僕らならともかく君たちまで手伝ってくれて」
声をかけたのはエルナトとエイル、同じく私の特訓のために来てくれたのである
「はい、大丈夫です、前半で受けたい授業はほとんどないので」
「私もそんな感じです。それにティナちゃんの手伝いはしたいです」
エルナトとエイルはそう返答した
「ならいいけど、ありがとう
とりあえずみんなの能力に関しては共有しよう」
殿下の提案にみんな頷く
「じゃあまず言い出したし僕からだね」
そう言い殿下は両手を広げ光と闇を纏わせたり粒にして周りに浮かせたりしていた。
「僕の能力は【光と闇】見たまんま自在に操る能力だ、色んなことに使えて辺りを暗くしたりその逆に明るくしたりできる、他には対象は1人だけど光で作った自分を認識させたり出来る、まぁ攻撃をしようとすると消えるけど」
「じゃああの時見たのって」
私は模擬戦の時に殿下がいきなり消えたのを思い出した。あの時は一瞬殿下の姿がブレたと思ったらいつの間にか目の前にいた、あれも能力の力なのか
「そうだよ、というよりティナ嬢やっと普通にお話できるようになったね」
やっと普通に会話するようになったことを殿下は喜んでいた、私は小刻みに震える左手を隠した。
「え、ああ、いえまだ少し怖いですが我慢しないと成長できないと思って」
「無理はダメだよ」
「はい」
(んーやっぱり目は合わせるのはきついのか)
私は殿下と喋ってたが目線は下の方へいっていた、殿下は次にアスカに目線を送った。
「次ウチね」
殿下が戻ったのを確認しアスカが前に出た、そういえば作戦会議中サクラ以外の能力に関しては何も聞いてなかったのを思い出した。
「ウチの能力は【加工】材料さえあれば道具なしで武器とか作れる、道具があれば通常よりかなり質の良いものが作れる、家特有の能力ね」
と収納魔法から鉄の棒を取り出すとノックするようコツンと叩く、すると棒はみるみるうちに形を変えて剣になった
アスカは剣をスティングに投げ渡す
「すごい、さすがとしか言えませんね重さや長さがちょうどいい、切れ味も良さそうだ」
スティングは軽く剣を振り使い心地を確かめていた。
「と、このまま僕の能力について説明しちゃいますね
僕の能力は【強化】身体能力や防御を上げる能力です、強化魔法とも重複するのですがまだ身体が出来てないので最大解放までは出来ません」
説明を終えて剣をフリットに渡す、フリットは眼の色を変え剣を見る
「なるほどこの鉄の性質を少し変えて剣の形にして、本来出せない切れ味を出してるんだな、さて次は俺だな、俺の能力は【観察眼】見た相手の癖や弱点など見抜くなど色々出来る、今みたく能力でいじられた物も見れる、今回のティナの特訓では常に使う事になるな」
剣をじっくり眺めていると突然後ろからエイルが姿を現し剣を取る
「次は私ね、能力は【転移】離れた場所に一瞬で移動することが出来るよ。他にも物を送る転送、最後に触れた人1人限定だけど場所を入れ替えることも出来るよ」
そう言うとエイルは練習場の端から端まで転移し戻り剣をエルナトの後ろへと転送させた。エルナトはそれを見ないで受け取る
「僕っすね、僕の能力は【探知】人や物を探したり罠など見つけることが出来る能力だよ、この中だと1番しょぼい能力かな」
そう言ってエルナトは思いっきり振りかぶって剣をサクラの方に投げる、剣はまっすぐサクラの所に飛んでいくと泡になり消えた。
「……ボクだね、ボクの能力は【無効化】遠距離攻撃をなかったことにしたり手で触れることで魔法陣を破壊することが出来る」
ティナ以外の全員の説明が終わる、みんな凄い能力だな……あれ?
「あのー私はどうすれば」
私はぴょこぴょこ跳ねて存在感を出す、少し恥ずかしい
「ああ、そうだね、ティナ嬢の能力はまだハッキリとはしてないんだったよね、んー【魔法】って言うのはどうかな、昨日の完全状態から見るに身体能力とかには関係なさそうだったし」
「【魔法】ですか、いいですね!」
確かに速度とか上がるみたいだしそれでピッタリかもしれない
「ん、じゃあ始めるとしますか」
「「「おー!!」」」
特訓開始です!
「と言っても何するんですか?」
具体的に何やるのか知らない私はみんなに質問をする
「ああ……」
どうやら考えてなかったらしい、それもそうか
「簡単なのでいいんじゃないかな、魔法制御の練習、速度上げとか色々やった後にサクラちゃん、スティング、殿下の内1人と模擬戦とかで」
なるほど近接向きの3人と戦うことにより……って
「サクラちゃんに魔法効かないのにどうやって戦うんですか」
そうだよどうやって戦うんですか、近接戦勝てないのに魔法効かないから無理だって
「あははそうだったごめんごめん」
アスカは胸の前に手を合わせて謝った。
「……そうだね、ティナが昨日の感覚覚えてるならいいけど」
「ティナ嬢、1つ聞きたいんだが昨日の模擬戦どこまで覚えてる?」
「えっと、殿下が私の魔法を使えなくして近づいてくる辺り?」
「じゃあほとんど覚えてないか」
殿下が顎に手を当てて考える
『私に任せてください』
「え?」
突然どこからか知っている声が聞こえた、私はペンダントを見る、すると突然ペンダントが光だし彼女が姿を見せた。
「せ、精霊」
『はい、初めまして皆様、私はティナ様の精霊、水のアクリアで御座います』
「契約者以外にも聴こえるとなると上位の精霊だな」
前にジル兄さんが言ってたけど契約者である私にも声が聞こえるってやっぱりすごい事だったのか
「初めて見ました」
「アクリアさん直接会うのは久しぶりですね、それで任せてくださいとは」
頼みどこでペンダントから補助とかしてもらったけど私が上位の精霊と契約してるのがバレたらまた狙われるからって父になるべく出さないように言われていたのだ。
『ティナ様久しぶりです。もう少し私を呼んでくださいよペンダントからだと力あんまり使えないので暇なんです……』
アクリアは見るからに落ち込んでいる、そうだよね人の何百倍も生きる精霊に取っては暇だよね。
「そうだったのですね、でもごめんなさいアクリアさんでかいから目立つというかなんというか」
大人みたいにでかいから普通に目立つんだよね
『それなら小さくなれますよ』
そう言うと大きさを手のひらサイズに小さくする
『これでどうですか』
ティナ嬢周りをふわふわと浮いて答える
「わー凄い可愛い」
「……で何しに来たの?」
別の方向に飛んでいた話を戻した。
『そうでした、ティナ様の暴走時の様子を見ることが出来る鏡があるんです。良かったら使いますか』
「そんな便利なのあるんすか……」
「なんかなんでもありそう……」
エイルとエルナトは苦笑いする、いやなんでそれを持ってこなかったのよ……
「使います!私だけ見れてないので見たいです」
『わかりました持ってきますのでしばらくお待ちください』
そう言うとペンダントの中に戻った
「……今思ったけどどうやって持ってけるんだろ」
「精霊だからなんでもありだろ、普通に出てきたように持ってくるんじゃないか?」
「まぁ自分の大きさも変えられたし行けるんじゃないかな」
もう諦めたように話てるとまた、ペンダントが光出した。
『お待たせ致しました。よいしょっと』
ズドーン
アクリアが持ってきたのは凄くでかい鏡天井ギリギリのもの
「思った以上ですね、ここまででかいとは」
「天井当たってないですか大丈夫です?」
『大丈夫です。調整しました』
物の大きさを調整するという何か大切なものを無視した発言をする
『この鏡は記録の鏡というものです。精霊界から人間界を見ることが出来る鏡が精霊界にはあります。それで見たものを記録して取っておくのがこの鏡なのです』
「ではこれに模擬戦の時の記録があると、アクリア様が見てたのですか?」
殿下は誰が見てたか気になり質問する。
『そうです。私が見てました、ティナ様が呼んでくれないのでずっと』
プンプンと怒る、そんな小さなアクリアが可愛いと思った。
「えーと…そんなに気軽に呼んでいいのですか」
『呼んでいいのです。むしろ呼んでください』
「……また逸れてるよ」
サクラはまたどっか行きそうな話を戻す。
「『すいません……』」
「……で、どんな感じに見えるの?」
『上から見た感じになりますね、どこから移しますか、ティナ様が叫ばれるところからの方がわかりやすいかと』
「じゃあそこからでお願いします」
アクリアが鏡に触れると昨日の模擬戦を映し出した。
音はなかったがハッキリと綺麗に映っていた。
「これが私……私の能力……」
鏡に映った昨日の自分を見て言葉を喪う
青く澄んだ光が身体を包眼の色も青く変えていた。
手を前に出すと突然大量の石を飛ばしたり、魔法をすごい速度で連発したりと、今の自分じゃ考えられないことをする光景に本当に出来るのかと心配になる
殿下も自分はよく引き分けに持っていけたなと苦笑いを浮かべた。
『……とこんな感じです。
問題がなければしばらくここに置いときますが』
「ああそうしてください、先生達には僕から言います。起動はアクリア様しか出来ないのですか?」
彼女が居ないと起動出来ないとここに置く意味がないからね
『いえ、精霊と契約してる者なら誰でも、ただ見れる範囲は限られますがこれを見るなら問題ないです』
「わかりましたありがとうございますアクリア様」
殿下はお辞儀をしてお礼をする
『ではまた何かあったら呼んでください』
そういうと言いペンダントに戻った
「と、かなり時間が経ってしまったね、今日は魔力のコントロールだけにして明日から本格的に始めよう」
「でもどうすれば……」
魔力を操作するなんてやったことないので何をすればいいのか分からない私は質問する
「水を魔法で出してその場に留めるそれだけでも大分練習にはなるはずだよ、これならどこでも出来るしね」
「はいやってみます」
ティナは手を前に出し水の玉を作り出す。いつもは直ぐに飛ばすけど今回はじっと形を留める
「じゃあ1時間ほどキープ頑張ろうか」
「はい!!」
10分後
「難しい……」
びしょ濡れになりながら落ち込む私
最初の方は良かったがだんだんと形が崩れ始め慌てて戻そうとしたら逆に込める魔力が多すぎて爆発した。
「まぁなんとなくわかってた」
分かってるならなんか言ってほしかったよ
「殿下ひどい」
「……ごめんボクもなんとなくは」
「僕も失敗するだろうなって」
「失敗するのはわかってたが、もう少しもつと思ったんだがな」
「ふえぇみんなしてひどい」
ちょっと泣き目になる、酷いよみんな分かってて見てるなんて
「まぁ今日ここまでにしよう、これを朝起きた時、寝る前とか色々タイミング見つけてやればすぐにできるよ」
「はい……わかりました」
こうして1日目が終わった
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