第14話初日ですよ

 朝

 日差しが眩しく目が覚める


「ふあぁ」


 今日から学園生活開始だ


「……おはよう、ティナ」


 声のする方を見ると鏡を見ながら髪をとかすサクラの姿があった。


「おはようございますサクラちゃん」


「……ほら、顔洗っておいで、あと気をつけて歩いてね」


「ふぇ?きゃっ」


 顔を洗いに立ち上がり歩こうとすると何かを踏み転んだ。


「……ほら言った」


「うぅ……忘れてました」


 昨日のドレスのまま寝てしまったことを今思い出す。

 完全に目が覚めた私はシャワーを浴びて着替える

 制服はないから私服でいいのが救いだ。


「……ティナ、早くしないと食堂閉まっちゃう」


「ごめん今行く」


 急いで準備して食堂に向かう

 朝食はパンとスープにサラダ、いちごのジュースだ

 いちご好きだから嬉しい


「おっはよう!二人とも、お隣いいかな」


 テーブルに着くとアスカがやってきた。


「おはようございますアスカちゃん、どうぞ」


「……おはよう」


「夜はよく寝れた?環境変わると寝れなくなる人とかいるって聞いた事あるけど」


「はい寝れました」


 えぇ、ドレスのまま寝るくらいにはよく寝れました。セラさんに渡して直してもらわないと行けない。


「……ボクは基本どこでも寝れるから問題ない」


「ならよかった、初日から寝不足は身体に悪いからね」


 そんな会話をしながら朝食食べた。


「ごちそうさま、それじゃ行こうか」


 食べ終えると3人で学園に向かう、寮から学園まではすごく近いのでゆっくり出ても余裕で間に合う


「Sクラスってどんな人がいるんだろ?」


 歩きながらふと思ったことを聞く、クラス制度に感じてよく知らないからどうなんだろう


「毎年試験で優秀な成績を残した人が選ばれるから8人と枠は少ないんだ、ウチ達3人と殿下、スティングくんにフリットは確定してる」


「顔合わせてないのは2人ですか、優しい人だといいな」


 怖い人だったらどうしようかという顔をする、さすがにヒビりすぎかな


「……会ってみないとわからない」


「だねぇー、と教室はここでいいのかな」


 学園内1階の1番端の教室で明らかに机の数が少ないのと設備が違う教室がある、多分ここでいいはず。

 教室につき、扉を開ける

 開ける音に中にいた人はこちらを見た。


「おはよう、入学式ぶりだねゆっくり休めたかい」


「おはようございます殿下、はい休めました」


「……おはようございます、殿下」


「……」


 殿下と挨拶する2人の後ろに隠れてしまう私 、やっぱり怖い、なんか他の人とは違う感じがする。


「んーまだ警戒されてるみたいだね」


 あははと耳をかく殿下、アスカは教室を見渡す。


「殿下1人ですか?スティングとフリットは?」


「2人なら先生に呼ばれてどっか行ったよ多分授業の準備」


「なるほどね」


 しばらくアスカと殿下の話を聞いてるとフリットとスティングが先生と一緒に戻ってきた。

 その後男の子と女の子が入ってきて全員席に着く。


「それではホームルームを始める、はじめにこのクラスを担当するクリフだよろしく

 まずSクラスの制度の説明のあとに自己紹介をしてもらう、その後昼休憩を取り午後は実力を見る」


 先生の説明をしばらく聞く

 クラス制度

 この学園は実力のあるものがそのレベルにあった授業を受ける、そのためのクラスわけだ、Sクラスは1番上のクラスになる。

 Sクラスは授業への参加は自由になるが問題を起こしたり成長が見られないと判断されると降格になる。

 年度末に1年の学びの成果を見る大会には強制参加で、その大会でSクラスより下のクラスの生徒がSクラスの生徒に勝つとSクラスに上がれる仕組みになってるらしい。

 他にも研究のための教室貸出など色んな特典がついてくる。


「次に自己紹介だな、そうだな、名前と得意魔法でいいか」


 先生が辺りを見渡し大丈夫かどうか確認する

 それに合わせて全員頷く


「よし、なら1番右下から順番に行こうか」


「お、ウチだね、私はアスカ、得意魔法は付与と土よろしくね」


 改めて、アスカ・ダイヤサウス、眺めの赤茶色の髪を一纏めにしている元気のいい女の子、苦手な武器はないらしい。


「次」


 アスカの隣の男の子黒髪でメガネをかけてる


「僕はエルナト、得意魔法は防御魔法、あとは平均的に出来るっす、よろしくお願いします」


 見た目は一般男子より顔がいいかなくらいガタイは一般的、剣士とかではないと思う。


「次」


「僕だ、ペイナです、得意魔法は闇と光、気軽に話しかけてくれると嬉しいなよろしく」


 ペイナ殿下、金髪超イケメン男子っぽいけどなにかすごい力秘めてそうなそんな雰囲気を感じる。


「次」


「……サクラです、得意魔法は付与魔法、他はそんなに使えない、よろしく」


 サクラ、少し長めの桃色の髪の女の子、基本的に髪を結ばない、実は可愛い物好きでぬいぐるみを集めている。


「次、後ろからだな」


「俺はフリット、得意魔法は火だけあとは普通くらいは出来るよろしく」


 フリット・クラブイースト、黒髪メガネとさっき自己紹介したエルナトと被るがこっちは見るからに頭脳派、健康そうな体でバランスよく出来そうな感じ。


「次」


 フリットの隣青髪の私より小さい女の子


「私はエイル、得意魔法は風と土ですよろしくお願いします」


 さっきも言ったけど私より小さい、そう小さい、やった私、クラスで1番小さいとかじゃなかった嬉しい!パッと見は大人しそうな感じ出ある。


「次」


「スティングです、得意魔法は付与と風ですよろしくお願いします」


 スティング・スペードウエスト、茶髪の高身長、ガタイもよくいかにも剣士って感じの男の子、どこかで見たことあるような……気のせいかな。


「最後」


「ティナです、得意魔法、水と氷です、よろしくお願いします」


 最後に私ティナ、低身長、元空色1色の髪、今は暴走の件があり半分空色、半分真っ白の髪色になっているショートヘアの女の子です。

 普通に自己紹介してるように見えるが視界にはなるべく人が入らないようにしてる。


「これで全員だな、では一旦お昼休憩に入る午後は校庭に集合」


「「「はい」」」


 各々解散する、私はアスカとサクラの元に行きお昼のことを話す。


「この後どうする前の木の下で食べる?」


「そうですね気持ちいいですし」


「……じゃあなんか食べるもの持ってくるよ」


 私達は試験の時に食べた場所で昼食をとる事にし向かおうとすると声をかけられた。


「あの……」


「はいなんでしょう、えっと、エイルちゃんでしたよね」


「はい、そのお昼作って来たので一緒に食べませんか?」


  「え、いいの?」


「はい!いっぱい作ってきたので」


 するとエイルは何もない空間からバスケットを取り出す

【収納魔法】

 生活魔法の1つで別空間にものをしまうことが出来る、状態は入れたときのまま、時間を止めたかのように保存されるため主婦や冒険者の強い味方、収納量は魔力の多さで変わるが使える人はそこまで多くない、ちなみに私とサクラちゃんはジル兄様特訓のおかげで使える、恐らくSクラスのみんな全員使えるとは思う。


「……いいんじゃないかな人数が多い方が楽しいし」


「じゃあ行こうか」


 アスカちゃんを先頭に中庭の大木に向かった


 〜中庭〜

 ここで食べる人は少ないのかいつも人がいない気がする


「なかなかいい場所ですね」


「うん、でもなんで人少ないんでしょ」


「多分みんな食堂に行ってるんじゃないか、購買もここから遠いし近くで食べてるんじゃないかな」


「……うんかなり距離ある」


 この学園思った以上大きくて新入生は毎年迷子が現れるのが普通らしい。

 その学園を把握しているこの2人は何ものなんだろうか

 シートを広げて私が収納魔法からポットとティーカップを取り出し紅茶を作りティーカップに注ぎお皿の上に乗せ、バスケットからサンドイッチを出しみんなでいただきますをして食べる、


「んーいい匂い」


「……このサンドイッチ美味しい」


「本当、美味しいね」


「お口にあったならよかったです」


「エイルちゃんは料理とかよくするの?」


「はい、家が酒場でしてよく手伝いをしてました、なので料理は大好きです」


 すごい、私も料理好きだから今度教えてもらおうかな


「そうなのね」


「はい、だからこれからもみんなで食べませんか?」


「大丈夫なのかい?材料とかお金かかっちゃわないか」


「大丈夫です問題ありません」


「んーでもなんか申し訳ないね……そうだ今度フライパンとナイフプレゼントするよ、お父様に頼めば作ってくれると思う」


「本当ですか!ありがとうございます」


 ということで楽しいランチのメンバーに新たにエイルちゃんが加わった。

 食べ終わったあとお茶を飲みながらお話をして過ごした。

 そして集合時間が近づいて来たので移動をする


 〜校庭〜

 グラウンドに向かうと先生が何か大きい石を置いていた


「と、女子は揃っているな」


「先生これは?」


 魔法陣が書かれたちいさな石を地面に埋めていた。


「これはな、特殊なフィールドを作る石でね魔法を弾く壁を作ったり怪我をしてもすぐに治す空間を作るんだ」


「それを使って何をするんですか?」


「それはな……4対4の模擬戦を今から行う」


「「「えぇぇ!!」」」


 いきなり模擬戦ですか、えぇ……

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