第5話街ですよ
〜2日後〜
5歳になりました!今日は姉と一緒に街に来てます
生まれてからずっと敷地内にいたので街まで出るのは初めてです。色んな店があります見てるだけで一日過ごせそうです。
「ティナ、人が多いから手を離しちゃダメだよ、迷子になっちゃうよ」
「はーい」
すごい人で動くのもやっとなので姉の手をしっかり握り直す。
「いつもこんなに人が多いんですか?」
「いや、普段はこんなに多くないよ、朝商人達と馬車が到着したからかな」
そんな会話をしながら店を見て回る、商人の人達が声を出し客寄せをしたいた。
(武器屋に本屋に服屋、食事処に雑貨屋さんほんとに色々ありますね、あ、)
ふと目に入ったそれを手に取る
「ティナ?」
手に取ったのは魔法使いがよくかぶってるとんがりボウシ、青の帽子だ。
(ふえぇ、大きくて頭埋まっちゃいます)
大きい帽子は自分には早かったとため息をして元の位置に戻し姉の元に向かう。
(ずっと歩いて色んな店見たけど自分から立ち止まるのはここだけだったな、よしアレだな)
アリアはティナが戻ってくるのを確認したら脇道に視線を送り頷いた。
結局、気になったのはあの帽子だけであとは可愛いなとかカッコイイなと思ったくらいだった。
今は食事処にいる
「ここはね私が学校ある日によく使う場所なんだよ、料理が美味しくて学生に人気なんだ」
「そうなんですか!楽しみです」
「あれ、アリアじゃんやっほー!珍しいね休みの日にここに来るなんて」
後ろからいきなり声がしてびっくりして、 振り向くと赤髪の背が高い女性が立っていた、腰に剣を身につけており如何にも剣士っぽい格好だ。
「やあセラ、ちょっと妹と街にお出かけしてたところ、ってティナどうしたの?」
初めて会う人に緊張して私は、反対側に座っていた姉の後ろに慌てて逃げるように隠れた。
「あぁ、驚かせちゃったかなごめんね」
赤髪の女性は胸の前で両手を合わせて謝罪するとこっちに近づきしゃがみ右手を手を伸ばした。
「初めましてティナちゃん、私はセラ、セラ・スペードウエスト、あなたのお姉ちゃんアリアのお友達よ」
と自己紹介を終えるとにっこりと笑った。
「は、初めまして、ティ、ティナですよろしくお願いします」
自分も自己紹介をすると、また姉の後ろに隠れ、顔を少し出す。
「あはは少し緊張してるのかな、この街に来るのは初めて?」
質問に私は頷いた。
「なら仕方はないね、知らない街、知らないところでいきなり声がしたら怖いもんね、ごめんね、慣れてきたら声掛けてね」
私はこくりと頷く
「ごめんねセラ、ティナは敷地の外に出ること自体が初めてなんだ」
姉は申し訳なさそうに謝った。
「いいのよ、それにしても可愛いねティナちゃんは、まるで妖精みたい、はぁ〜私の弟もこのくらい可愛げあったらなー」
「スティングくんか、可愛いってよりかっこよくはなってきたよね男の子って感じが出てきた、確かティナと同い年だよね」
「そうよ、次の月で5歳」
「なら学校で同級生か、間違えなく同じクラスにはなるね」
学校、となると姉と同じ所になるのかな、どっちにしろ楽しみですね。
「そう言えばセラは、休みの日はよくここに来てるの?」
「いや今日は逃げてきたって感じ、スティングとお母様が来てるのよ」
「なるほど色々言われるから逃げてきたと」
逃げてきたって、普段から何をしてるんだろうか気になるところではある、スペードウエスト家は確か騎士の家系だったよね、それに関係してる事なのかな?
「まぁそんな感じ、と、料理来たみたいよ」
「へい、お待ちどうさま、オムレツとハンバーグにシチューだね、ここにパン置いとくよ」
少し大きめのおじさんが持ってきた料理に私は目を輝かせた。
「あれ?ハンバーグなんて頼んだっけ」
「あ、これ私の、おじさんが気を利かせたのかな」
「あぁセラのか、えっとオムレツがティナの分でシチューが私と、それじゃあ」
「「「いただきます」」」
「お姉ちゃん、オムレツ美味しいです!」
「そうかいよかった」
「アリアいいセンスしてるじゃん小さい子が好きそうなものでこの店の自慢の料理を選ぶとは」
「セラお姉さんもよくこの店に来るのですか?」
「え、あ、お姉さんか少し照れるな、えーと、うん、そうね、この店はよく来るよ、美味しいし学校から近いしね、あとは私みたく騎士とか目指す人とかには結構嬉しい量してるからね」
「そうですか、美味しいから人気なんですねこの店」
そう言うと私は小さい口でオムレツを食べる
(美味しいオムレツ食べれるなんて幸せです)
オムレツを口に入れる事に幸せオーラを出てたのか周りがほっこりしてこちらを見てるのに気が付かないティナであった。
食べている途中何か視線に気が付きセラさんの後ろの方を見ると、茶髪の小さな男の子がこちらをじっと見ていた。何を見てるんだろうと首を傾げると顔を赤くしてどこかに行ってしまった。
食べ終わったあともしばらくお話をした、普段の学校生活のことや日常のこと色々話し時間を過ごした
「へぇーティナちゃんもう中級魔法使えるんだすごいね、ってあれ?」
なんだか眠くなってきてうとうとしている
「朝からずっと歩いてたしお昼食べておなかいっぱいになって眠くなったのかな?そろそろいい時間出し帰るかな、ほらティナおんぶがいい?それとも抱っこ?」
「おんぶ……」
そう言うと私は両手を挙げる、姉の背中に体重を預けた。
「ほらしっかり掴まって、ごめんねセラ、話の途中だけど帰るよ」
「いいよ、なんなら途中までついて行こうか?1人じゃ大変でしょ」
「ああ助かる、久々におんぶしたけど大きくなったね思った以上重い」
「小さい子ってそういうもんだよいつの間にか大きくなってる」
アリアはティナを背中に乗せ椅子から立ち上がり店から出た。
そのあとすぐ私は眠ったらしい
セラはアリアを送り届けて自分が泊まっている寮へと向かう帰り道を歩いていた。
「何コソコソしてるの出てきなさいスティング」
「バレてましたか」
茂みの中から男の子が姿を見せる。
スティング・スペードウエスト、スペードウエスト家の長男で剣の才能があり能力も開花している。
「バレてるも何もずっと気がついてたわよ」
「そうでしたか、それでなんで逃げたんですか」
セラが母から逃げていたことに気がついていたスティングは朝からずっと後ろを着いていた。
「逃げてきたも何も剣の稽古サボってないかとか怠けてるんじゃないかとか言われるのが嫌なのよ、剣術に関してはずっとトップなのに」
「姉上がサボってないのはわかりますけど逃げたら余計疑われますよ、母もサボってないのは気がついてますけど」
普段から負けず嫌いで自分が得意な剣術は誰にも負けないと自信を持ってるセラは普段から剣の稽古を怠らない、魔法に関してはトップのアリアが次元が違いすぎだから諦めたが、勉強は入れ替わりで争っている状態であるためそこも努力している。
「なら言わなきゃいいのに、もう暗いわよ帰りましょう、今日は宿に泊まるの?それとも久しぶりにお姉ちゃんと寝る?」
「大丈夫です。泊まる場所は決まってますしもう誰かと寝る程の年齢じゃないです」
「本当可愛くない、大人ぶらないでもうちょっと甘えてもいいのに、ティナちゃんの方がよっぽど甘えるの上手そうだったよ」
「姉上を超えるのが僕の目標なんですから甘える訳には行きません、それよりあの子ティナって言うんですね……」
食堂にいた時に見た空色の髪の女の子、初めての同年代ってわけではないはずなのに何故かドキドキとした。
「ふーん、顔を赤くしてどうしたのかな?もしかして惚れちゃった?」
「な、そういう訳じゃないです!」
「その慌てようぷりやっぱりそうなのね、ふふ面白いネタゲット」
「からかわないでください!」
夕日が落ちる中姉弟の声が響き渡った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます