第2話 a星にて

その惑星から、SOSが発せられたのは、つい先ほどのことだった。

スケジュールが目白押し、おまけに、どれも、緊急度が高い。


いかに、効率よく、片付けるかが、俺の仕事。

いつもは、社員?を派遣するのだが、

どうしても、埒が明かないときは俺が直接出向く。


「休みがほしいなあ」


惑星に着き、司令部に向かうエレベーターの中で、担当者より話を聞く。


「・・・でありまして、わが軍として、お助けをいただければと」


(心の声)

まったく、なんで外部から雇うんだよ。

俺らの方が全然できるっつーの。


(俺)

心の声がだだ漏れなんだけど、、


精鋭の戦闘員をつけるというが、丁重に断る。


おそらく担当者の近くにいる若い戦闘員らしき姿の


「気が付かないんだ・・・」

「そこ、離れて、危ないよ」


エレベーターの壁から離れるように促す。


メリメリメリ!


けたたましい音とともに、壁から突然

おぞましい姿をしたかいぶつが姿を現した。


「なぜ分かった!?」

「バレバレだ」


俺は、すっと右手をかいぶつに向ける


ばりばりばりっ


あっと言う間に、かいぶつは

鉄屑が圧縮されたように

手のひらに乗っかるくらいに

小さくなった。


がくがくと怯える、戦闘員


「危なかったな」


「その自尊心(プライド)、捨てねーと危ないぜ。大好物だからな。」


「・・はい」


聞こえるか聞こえないかの声で、そいつは

うなだれながら、うなづいた。



「やってくれたら、楽なんだけどなあ」


「任せたいけれど任せられない」


だいたいの依頼が似たり寄ったり

自分はできる。

人より優秀。

勲章の数を自慢するが、いざとなったら何もできない

できるんだったら、やってくれよ。


俺は、その惑星の人間であれば

壊滅か、それに近いような困難であると思われる仕事をさっと片付け、船に乗り込む。


緊急呼び出し。


「はい」


珍しい。

ボスからの連絡。


今度のミッションだが、少々厄介だぞ


「厄介?大丈夫っしょー」


いつものように、答えるが、ボスの声のトーンがいつもと違う。


内容を聞いて、さしもの俺も愕然とした。


「まじっすか?」


その惑星のことは風の噂には聞いていた。


誰もが嫌がり、受けようとしない。


数々の手だれでさえ、震え上がるのである。


「分かりました。仕事ですから」







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翼をまといて 飛鳥 祐矢 @dream34

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