翼をまといて
飛鳥 祐矢
第1話 迎えに来ない。
もう、子供のころの記憶。
小学校の校庭、グラウンドでランニング。
汗をかき
息をきらす。
見上げると、青い、青い空。
どこまでも、どこまでも、青く。
あの青はどこまで続くのだろう。
青から、、黒へ。
ふっと、よぎる。
「帰りたい。」
「ただいま。」
家に帰る。
部屋に戻り、明かりをつけ、窓を開ける。
僕の部屋から窓を開けると、屋根があり、そこから外に出られるようになっている。
もう、何度思い描いただろうか。
何もない星空。
突然
まばやくきらめく光のカクテルが現れ、
その光とともに
大きな大きな物体が姿を現す。
声はないけど、会話はしている。
そんな物体が現れても
誰も気が付かない。
自分は、その物体を確認し、
窓から出、何者かと確かに交信していた。
「お迎えに来ました。」
「待っていたよ。」
やがて、僕は、光に吸い込まれ、
何事もなかったように、時が流れていく。
だけど、現実は、何もおきなくて、目の前に広がるのは、いつもの川の景色。
どんなに願っても、お迎えは来ない。
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