兎と亀
ある晴れの日、兎は亀を、足が短くのろまだと嘲笑った。
亀は答えた。
確かに、
そなたは、
風のように速いが、
競争すれば、
私は、
そなたに、
勝つでしょう。
兎はそんなことは絶対に有り得ないと、亀の挑戦を受けることにした。
そして狼がコースとゴール地点を定め、兎と亀は合意した。
約束の試合の日、二匹は同時にスタートした。
亀は、
一度たりとも、
休むことなく、
一歩一歩、
ゆっくり、
まろびやかに、
しかし着実に、
ゴールに向かって、
進んだ。
一方の兎は、コース終盤の道端で横になり、一寝入りした。
ようやく目を覚ました兎は、猛スピードで走ったが、
彼が見たのは、ゴール直前の亀だった。
彼らの距離は3メートルほどまで狭まった。
そして亀がゴールしようとした、その時だった。
「ちょっとちょっとぉ!!!
ちゃんと手をつないでゴールしてください!」
ゴール地点の狼が叫んだ。
兎と亀は愕然としたが、大人しく手をつなぎ、ゴールまで歩いた。
狼はウヒウヒと、たいそう喜んだそうな。
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