おまけ 粘土細工 ティモカ

 今日は午後からブリジット先輩が用事で出かけています。ツキヒロ様と久し振りに二人だけです。さて、何をしましょう。


「ツキヒロ様、午後からは何をなさいますか。ブリジット先輩がいませんから二人で出来る事が宜しいかと思いますが」

「そうだね、なら粘土でティモカお姉ちゃんの像を作ろうかな。モデルになってくれるよね」

「私の像を作っていただけるのですか、嬉しいです。勿論モデルになりますよ。どんなポーズがいいですか」


 私は、ツキヒロ様の前で色々良さそうなポーズを取ってみせます。


「ポーズを決める前に粘土を用意しようよ」

「そうですね。えい。この位あればいいですか」


 私は収納魔法で次元庫から、バケツ一杯分の粘土を取り出します。


「うん。これ位あればいいかな。しかし、よく粘土なんか次元庫に入ってたね」

「何時もツキヒロ様の事を考えていますから。こんな事もあろうかと準備しておきました」

 流石は私。どこぞの戦艦の工作班長には負けません。

「そうなんだ、ありがとう、ティモカお姉ちゃん」

 えへへ。ツキヒロ様にお礼を言われてしまいました。


「それじゃ、始めようか、先ずは、ティモカお姉ちゃん脱いで」

「はい。・・・。え、脱ぐ?」

「そうだよ。始められないからさっさと服を脱いでよ」

「え、脱ぐと下着姿になって仕舞いますが、下着姿でモデルをするんですか」

「違うよ、ティモカお姉ちゃん」

「そうですよね」

「そうだよ。下着も脱ぐんだよ」

「えー。全裸でモデルをするのですか」

「当たり前だよ。これは芸術だよ。爆発なんだよ。さあさあ、つべこべ言ってないで早く脱いで」


 芸術は分かるが、何故爆発なんでしょう。訳が分かりませんでしたが、ツキヒロ様の命令なので、私は服を脱ぐ事にしました。魔法で服を収納しようとした瞬間、ツキヒロ様から待ったが掛かりました。


「あっ、ちょっと待って、魔法は使わないで、一枚ずつ脱いでいってね」

「構いませんが、時間が掛かりますよ」

「そこがいいんだよ。創作意欲を駆り立てるんだ」


 よく分かりませんが、ツキヒロ様のご希望なので、私は一枚ずつ服を脱いでいきます。エプロン、スカート、シャツ、ガーター、ストッキング。その間ツキヒロ様はこちらを凝視しています。何だか恥ずかしいですが、創作意欲を高めているのでしょう。


「下着も脱ぐんですね」

「うん、出来るだけゆっくりね」


 ツキヒロ様は頷きます。私は仕方なく下着も一枚ずつ脱いでいきます。その間もツキヒロ様の目が離れる事はありません。ああ、本当に恥ずかしい。


「脱ぎました。それでどんなポーズを取りましょうか」

「そうだな、先ず膝立ちになって貰って」

 私は言われた通り膝立ちになります。


「安定する様にもう少し足を開こうか」

 私は膝と膝の間を肩幅程に開きます。


「うん。いいね。それじゃあ、腕は一度万歳して、手を組んで、そのまま頭の後ろに持っていって。そう。良い感じだよ。そのまま動かないでね」


 私は言われるままのポーズを取ります。胸もお尻もあそこも丸出しです。なんだか恥ずかしくて顔が赤くなってきます。


「ツキヒロ様、この格好でじっとしているのは恥ずかしいです」

「芸術のためだから我慢しようね。綺麗だよ、ティモカお姉ちゃん」

「ツキヒロ様に綺麗だと言って貰えるなら頑張ります」

「うん。凄く綺麗だよ。まるで女神の様だよ」


 赤らんだ顔が余計に赤くなります。


 その後、ツキヒロ様は一心不乱に粘土を捏ねています。


 そろそろモデルに飽きてきた頃、ツキヒロ様が不意に私に近づいてきて、私の目の前に立ち、私の胸の先端に目を凝らします。その距離は、ツキヒロ様の息がかかる程です。


「どうかされましたか」

「この部分なんだけれど、最初はもっと突き出してたんだよね」


 そう言って胸の先を指で突きます。


「もっと、こう、硬い感じだったんだ」


 今度は指で摘んできます。


「そんな、粘土の付いた手で触られたら汚れてしまいます」

「あ、そうだね。ごめん。でももう汚れちゃったし、僕も粘土だらけだから、終わったら一緒にお風呂に入ればいいよね」


 私が、ツキヒロ様を確認すると、手だけでなく顔や服にも粘土が付いています。

「そうですね。一緒に入ればいいですね」

「そうしようね。それでここなんだけれど」

 そう言って、胸の先端を指で丸く円を描く様に優しくなぞり続けます。

「あん、そんなにしたらくすぐったいです」

「そうだったね。ティモカお姉ちゃんはこっちの方が良かったんだね」

「あいたたた。ツキヒロ様、胸の先を抓らないでください」

「ごめん、ごめん。でもこれで最初と同じになったからいいよね」


 それから何度か、間を置いて胸を撫でたり揉んだり抓ったりされました。


 何度も胸の先を抓られて、じんじんして熱くなってきました。また、ツキヒロ様がこちらに来ます。これ以上抓られたらおかしくなって仕舞いそうです。私の期待と裏腹にツキヒロ様の指が触れたのは、私の背中側でした。


「この辺の腰から太ももへのラインが難しいんだよね」

 背中に押し当てた指でゆっくりと腰からお尻、そして太腿へとなぞっていきます。

「んんんん」

 思わず、仰け反りそうになって仕舞います。

「それと、このお尻の丸みがなかなか出せないんだよね」

 お尻が小さな手の平で撫でまわされます。

「この、お尻の割れ目から前に続く部分も難しいよね」

 ツキヒロ様は前後に手を何度も動かし、その形を確認します。

「ああん」

 思わず声が出てしまいました。

「ティモカお姉ちゃん、何かここの部分が濡れてきたよ」

 私のあそこで、ツキヒロ様がクチュクチュ音を立てています。

「ツキヒロ様、そんなことはいいですから、早く仕上げてください」

「そおお。遠慮しなくていいんだよ」

 ハッキリ言えば気持ちいいので続けてもらいたいですが、このままではいってしまいそうです。

「遠慮なんかしてませんから。あああ」

「それじゃ、これで終わりね」

 ツキヒロ様は手の前後運動を止め、代わりに私あそこを抓りました。

「あーん」

 私は、思わず声をあげると、そのまま腰砕けになりお尻を付いてしまいます。

「ちょっと、ティモカお姉ちゃん、腕挟まってるから。お尻上げて」

 ツキヒロ様がお尻に挟まった腕を抜こうとしますが、腰が抜けてしまった私は動くことができず、なかなか腕を抜くことができません。

 もぞもぞ動かす腕が私のあそこに擦れて気持ちいいです。そのうえ、ツキヒロ様は動かせる方の手で私のお尻を叩きだしました。

「ティモカお姉ちゃん、どいてったら。どいて」

 ペン。ペン。ペン。

「あああん。ツキヒロ様、もっと叩いてください」

「仕舞った。逆効果か」


 トン、トン、トン。


「ブリジットです。もどりました」

「ブリジットお姉ちゃん、いいところに戻ってきた。早く助けて」


 ガチャ。


「どうされました、ツキヒロ様。ティモカ、何してるんですか裸で」

「いいから早く助けて」

「今お助けします」


 ドカン。ゴロン。


 私はブリジット先輩に蹴り上げられ、仰向けに転がされます。


「大丈夫ですか、ツキヒロ様」

「うん、もう大丈夫。ブリジットお姉ちゃんが帰ってきてくれて助かったよ」

「何があったのです」

「ちょっと、粘土細工をしていただけなんだけどね」

「ああ」


 ブリジット先輩が部屋の中を確認します。


「ティモカお姉ちゃんがモデルに疲れて腰を抜かしちゃったんだ。そして僕が偶々下敷きになっちゃって」

「そ、そうなんです。疲れて腰を抜かしてしまって」

「だから、もう大丈夫だよ。ねー、ティモカお姉ちゃん」

「そうです。私ももう大丈夫です」

 私は裸のまま何とか立ち上がります。


「そうですか、二人が大丈夫ならいいですけど。私がいない時に危険なことはしないでくださいよ」

「うん。分かったよ」

「はーい。分かりました」


「それで、粘土細工は完成したのですか」

「ああ、まだ八割ってとこだけど、なかなかの傑作なんだ。見てよこれ。ティモカお姉ちゃんそっくりでしょ」

 ツキヒロ様は、作りかけの私の像をブリジット先輩に自慢げに見せています。

「そうですね。ティモカの特徴をよく捉えたいい作品ですね」

 ブリジット先輩も褒めています。どんな素晴らしい作品になっているのでしょう。私も気になって見に行きます。

「ツキヒロ様、私にも見せてください」

「いいよ、ほら良くできてるでしょ」

「そ、そうですね」


 そこには、何処をどう見ればよいのか、よく分からない像がありました。この丸いのがお尻で、こちらの丸いのはお腹でしょうか。とすると、この二つ凹んだ窪みに小さなぽっちが付いたものは胸なのでしょうか。まあ、五歳児が作るものです。こんなものでしょう。


「ティモカ、良かったわね。ツキヒロ様は芸術面の才能もあるのよ。この像もきっと一生物の宝物になるわよ」

「そうですか。ブリジット先輩も何か作って貰った事があるのですか」

「私も自分の像を作って貰ったわ。今も肌身離さず、次元庫に入っているわ。見せてあげましょうか。えい。これよ。」


 それは、女神の様なブリジット先輩の像でした。


「ブリジットお姉ちゃん、それ取ってあったの。それは練習で作ったものだから、余り出来が良くないから恥ずかしいよ」

「そんな事ありませんよ。良く出来ています」


 ドスン。


「え」

「え」

「あ」


「ティモカ、何をするのです」

「ああ、僕の傑作が」

「すみません。何か身体が勝手に」


 私は拳を振り上げると、そのままツキヒロ様が作られた私の像を叩き潰していました。


「これは、あれです。芸術が爆発しちゃったんです」

「何訳の分からない言い訳をしているの。これはお仕置き決定ね」

「またですか」

「何、嫌なの」

 ブリジット先輩は片手でビュンビュン音を立てながら素振りを始めています。

「いえ、謹んでお受けします」

 私はブリジット先輩に頭を下げました。


 それから、茫然自失になっているツキヒロ様にも謝ります。

「ツキヒロ様、本当にすみませんでした」

「潰れちゃった物はしょうがないよ。また作ればいいから気にしないで」

「許していただいて、ありがとうございます。それで、あの。今度作るときはブリジット先輩と同じようにしてください」

「え、あんなのがいいいの。あれじゃ、唯そっくりに作っただけじゃん。もっと独創性をもって、ティモカお姉ちゃんの魅力を前面に押し出したものがいいと思うんだけど」

「いえ、見た目そのまま、そっくりに、作っていただければ結構です」

「えー。そんなのつまらないよ」

「面白くなくていいんです。あと、できれば胸を少し盛って貰えればいうことなしです」

「分かったよ。じゃあ気が向いたらね」


「ティモカ、話は終わりましたか。ならこっちに来なさい。お仕置きを始めますよ」

「えー。もうですか。せめて何か服を着るまで待って下さい」

「どうせ捲られちゃうんだから、そのままでいいんじゃない」

「ツキヒロ様、酷いです」

「つべこべ言ってないで、早くこっちに来なさい」

「はい。ブリジット先輩」


 こうして、私は再びブリジット先輩のお仕置きを受ける羽目になったのでした。


 後日、ツキヒロ様は女神の様な私の像を作ってくれました。


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以上でティモカ編は終了。次回からルナ教編の予定です。

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