サポーター
これは…すごいのだろうか?いや、属性の数からみてメイド以外、つまり私の家族は平均以上ではあることは確かだ。
それに、何故ナハティウムだけ属性や加護が書かれていないんだ?父のステータスからはうちが公爵家だということも分かったが、そんなことも聞いていない。
というか、エデンは説明が足りなさすぎる。ほとんど何も説明されていないのと同じではないか…
私がエデンへの不満を募らせていると、どこからともなくピロンという軽快な音がした。周りが誰も反応していないのを見るに私にしか聞こえていないのだろう。この音には覚えがある。
エデンからメッセージが届いたのかと思い、心の中で『ステータス』と唱え、ステータスを開くと思った通り[NEW]の文字があり、神様メッセージが届いていた。
『ごめんごめん、急いでたからあんまり説明ができなかったんだよお。お詫びに新しい異能加えといたから、性能とかは鑑定してみてね!
byエデン』
どうやら何でもお見通しなようだ。少しだけ感心した。あれでも一応は神ということか…
そんなことを考えながら新しく増えた異能を異能を鑑定してた。
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【サポート】
・ナターシャを支援するために創られた異能
・気になることは何でも教えてくれる
・質問をすると答えてくれる
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予想はしていたが、やはり規格外だな…と呆れてため息をついていると、ふと視線を感じた。そちらに目を向けるてみると、父が私をじっと見ていることに気がついた。
しまった、やはり通知の音が聞こえていたのだろうか?それとも、私のステータスが見えたのか?いや、そんなはずはない。私は『ステータスオープン』ではなく、『ステータス』と唱えたはずだ…ならば私はなにかしただろうか…?
「泣かないな…」
私が悶々と考えていると、父がそんなことを言ったどうやら赤子──私──が全然泣かないことが気になったようだ。
泣いた方がいいのだろうか?というか、赤子とはいつ泣くものなのだ??
《No.泣かずとも良いかと思われます。また、赤子とは眠い時や空腹時などに泣きますので、マスターがそう感じた時に泣いたら良いのではないかと思います。》
っ!なんだこれはっ!頭に声が…もしかしてこれが【サポート】か…?
《Yes.そうです。私が創造の神よりマスターのために創られた異能、サポートです。》
…マスターとは私のことか?というか、創造の神って誰だ?
《Yes.私は個体名:ナターシャ・フォン・テスタント、つまり貴方様のために創られました。ですので、貴方様がマスターです。
そしてA.創造の神の個体名はエデンです。》
私のために創られた、か…つまりはこの異能は他の誰も持っていないということか。また面倒なものを…
というか、エデンは創造の神だったのか。これも初めて知ったな。
まぁいい、それよりもこれからよろしく頼む。お前のことはなんと呼べばいい?
《A.サポートと》
?お前のいうところの個体名を聞いているんだが?
《A.私に個体名はありません。あくまでマスターの一部ですので。》
そうなのか?でも、サポートと呼ぶのは何だかものとして扱っているようで嫌なのだが…
じゃあ私が名付けてもいいか?
《A.私に個体名は必要ありません。》
必要はなくてもあってはいけないわけでもないだろう?まぁ、お前が嫌でないのなら、の話だがな。
《Q.付けてくださるのですか?》
お前がいいのならな
《Yes.もちろんです。》
そうか?じゃあ……アノスなんてどうだ?ギリシャ語で知識人という意味のディアノウメノスからとったんだが
〔サポートが進化してサポーター:アノスとなりました。〕
っ!なんだ今のは?
《世界の声ですよ、マスター》
世界の声?というか、声が変わったな…さっきまではロボットのような声だったのに、今は美しい青年のような声だ。
《マスターが与えてくださったので、私は進化しました。ですから、その効果かと思われます。》
なるほど。で、世界の声とはなんだ?
《そのままの意味です。この世界…イルフィアナは、イルフィアナに生きる全ての生き物を見守っていて、レベルアップなどを教えてくれるのです。
通常は異能が進化することなどないのですが……世界に愛されてますね、マスター。流石です!》
称号の【世界に愛されし者】とはこういうことか…まぁ、一応礼は言っておく。
ありがとう、イルフィアナ
などと話していたら、だんだんと眠気が襲ってきた。
おかしいな?スキルに睡眠耐性があったはずだが…
《それはですね、マスターは今赤ちゃんなのです。なので、赤ちゃんの体に合わせてスキルが発動しているのだと思います。》
そういうものなのか?じゃあ大人しく眠ることにするか。
《そうです、赤ちゃんは眠ることが仕事なのですから。
おやすみなさい、マスター。良い夢を》
あぁ、おや…すみ
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