はじめまして家族
異常だとは思っていたが、まさかここまでとは…それに、前世でのスキルだけでいいものを何故こんな【完全記憶】なんてものまでそのままにしたんだ…!こんなものがあったせいで私は!!
私は知っている
───人は普通ではないものを恐れる
私は知っている
───人は自分より上のものを妬み、嫌う
私はちゃんと理解している────
だから知られてはいけない…私が異常であることを。同じ過ちを繰り返さないために……きっと大丈夫。
エデンが言っていた通りステータスは隠せばいい。
そうだ、言葉がわからないのも不便だから【創造】で創ろう
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【言語理解】
・全ての言語を理解することができる
・自動的に発動する
・作成者ナターシャ
・ナターシャだけが持つ異能
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想像以上にすごいものが出来てしまった…だが、これは必要なものだから仕方がない。
ステータスを確認して創れたことはわかったが、どうやって確認しようか、と考えていたらドアの開く音がした。メイドが戻ってきたのかと思い、目を向けると男の子が入ってきた。輝く金色の髪に空色の瞳をした男の子だ。
誰だろう?
私が不思議に思っていると、男の子が近づいてきた。ベッドの上で横になっている私の顔を覗き込むように、ベッドに手を付き背伸びをしている。私と目が合うと、パァと花が咲いたように笑顔になって口を開いた。
「ボクはナハティウム、キミのにいさまだよ。よろしくね、かわいいナターシャ」
よかった…【言語理解】はちゃんと発動しているようだ。
というか、子どもとはこんなにハキハキ喋れるものだったか?見た目は5歳にもなっていないように見えるがすごいな。
と、どうでもいいことに感心していると、男の子…ナハティウムが私の頬をつついてきた。
どう反応したらいいのかわからなかったから、とりあえずキャッキャと笑ってみれば、ナハティウムも嬉しそうに笑ったので正解だったようだ。
二人で笑い合っていると、さっき出ていった母とメイドが男性とともに戻ってきた。
「とうさま!かあさま!」
「まぁ、ここにいたのねナハト。探したのよ?」
ナハティウムが駆けていくと母はふんわりと笑った。どうやら、男性は父らしい。
父は銀色の髪に淡い群青色の瞳をしている。一見冷たい印象を受けるが、母たちを見る表情は優しげだ。家族が大切なのだろう。
家族思いな父に優しい母、元気で可愛らしい息子。絵に描いたように幸せそうな家族だ。目の前で起きていることなのに、ひどく遠く感じる。
私はこの人たちと一緒にいてもいいのだろうか?この人たちは私を愛してくれるだろうか?この人たちはこんなに異常な子どもを受け入れてくれるのだろうか?
いや、無理だろう。前世で無理だったのだ、転生してさらに異常になった私など受け入れられるわけがない。こんなことは考えても無駄だ。希望を抱いてはいけない…抱いて最後に苦しむのは私なのだから。
そんなことより、ステータスを隠蔽するためにも様々な人のステータスを知っておいた方がいいだろう。とりあえず、この場にいる全員を鑑定してみた。
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エルヴィン・フォン・テスタント Lv72
年齢:24歳
性別:男
種族:人族
状態:良好
体力 4500/4500
魔力 5000/5000
--属性--
風Lv43 雷Lv43 氷Lv70 空間Lv51 無Lv40
--異能--
身体強化
--スキル--
肉体的苦痛耐性Lv5 精神的苦痛耐性Lv5 毒耐性Lv6 睡眠耐性Lv5 暗視Lv5体術Lv6 剣術Lv6 弓術Lv5 投擲Lv5 暗記Lv4 調合Lv4 思考加速Lv2 気配感知Lv5 気配遮断Lv5 魔力感知Lv5
--加護--
魔法の神 武勇の神 忍耐の神
--称号--
テスタント公爵 無情なる暴風雪ブリザード 魔法師団隊隊長 家族至上主義者 家族思いな父
フランチェスカ・フォン・テスタント Lv42
年齢:24歳
性別:女
種族:人族
状態:虚弱体質
体力 50/50
魔力 3000/3000
--属性--
水Lv40 土Lv32 光Lv63 無Lv25
--スキル--
毒耐性Lv3 暗記Lv5 話術Lv5 器楽Lv5 礼儀作法Lv10 裁縫Lv3
--加護--
音楽の神 書物の神
--称号--
家族至上主義者 家族を愛する母 癒す者 舞踏会に舞う蝶
ナハティウム・フォン・テスタント Lv1
年齢:3歳
性別:男
種族:人族
状態:良好
体力 450/450
魔力 450/450
--属性--
--異能--
治癒
--スキル--
毒耐性Lv1 剣術Lv1 体術Lv1
--加護--
--称号--
家族大好きっ子 シスコン予備軍
ヘレナ・ケイム Lv21
年齢:52
性別:音楽
種族:人族
状態:良好
体力 320/320
魔力 30/30
--スキル--
給仕Lv9 睡眠耐性Lv4 投擲Lv4 気配遮断Lv3 気配感知Lv3
--加護--
忠誠の神
--称号--
メイド長
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これは……
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