新たな人生に向けて


「で、お前の手助けをするという話だったが、これから私は何をすればいいんだ?」

「あ、話が途中だったね」


エデンが泣き止みしばらくしてかなでが聞いた


「まず、君には僕の管理する世界に転生してもらうね。あと、できれば僕のことはエデンって呼んでほしいな」

「わかった」

「で、転生したら基本的には好きにしてもらっていいよ」

「…え?」


好きにしていいと言われたかなでは困惑していた


「あ、もしかして魔王討伐とかそういうのだと思ってた?」

「あ、あぁ」

「ちがうちがう!そういうのは人間たちが勝手に勇者召喚したりしてなんとかするから」

「…そういうものなのか」

「そうそう」


かなではまだ少し困惑しているようだがエデンは話を進める


「好きにしていいって言うのには理由があってね、僕の管理する世界…イルフィアナって言うんだけど、イルフィアナに君の魂があるだけで問題の半分は解決するからなんだ」

「そう…なのか?」

「うん!というのも、イルフィアナには”魔素”っていうのが足りなくて、君の魂がこちらに来るだけで魔素の濃い地球と繋がりができるから魔素を供給してもらうことが可能になるんだ」

「地球は魔素…?が濃いのか?」

「そうだよ〜そもそも魔素っていうのは人間の体内にある使われていない魔力が出てきたものなんだよ」

「それは、私にも魔力があるということか?」

「基本的にはみんな持ってるよ。まぁ、ごく稀に魔力を持たず生まれてしまう子もいるけどね」

「では、何故イルフィアナには魔素が足りてないんだ?」

「あぁ、イルフィアナには魔法が存在してるんだよ。だから、使われていない魔力っていうのがあんまりないんだ」

「魔法があるのか…!」

「あれ、興味ある?じゃあ先に魔法のことを説明しようか」

「頼む」



───エデンの話をまとめると

”魔法”とは魔力を使って現象を起こすことで

それぞれ、火・水・土・風・雷・氷・光・闇・空間・無、と10の属性に分けられるそうだ

氷属性の人間は少なく、無属性の魔法は魔力がそれなりにあれば誰でも使えるらしい

属性は1人1〜2個が平均的で多い人は3〜5個持っているみたいだ(無属性は入らない)


他にも、魔素を使って現象を起こす”魔術”や魔力も魔素も使わずに現象を起こす”異能”なんてものもあるそうだ

そして、それらを含めた自分の情報は【ステータス】と言うと自分だけに【ステータスオープン】言うと周りの人にも見せることができる──念じるだけでもいい──ということらしい




「で、その魔力が少ない人はだいたい庶民で多い人は貴族以上ってなってるんだ」

「…身分なんてあるのか」

「うん…上から、王・王家・公爵・侯爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵かな

で、庶民も、商人・平民・貧民・スラムって分けられてるんだ」


かなでにとって身分とは馴染みのないものだから、自分がちゃんと馴染むことが出来るのか不安なようだ

そんなかなでに対して


「まぁ、あんまり馴染みがないだろうし、それは転生してから覚えても遅くないよ。というか、普通はそうだしね」

「ふっ、それもそうだな」

「あとは…そうだ、君の転生する国はサロヴァーナ王国っていって比較的安全な国だから安心して!それと、たまに手伝って欲しいことがあったら連絡させてもらうからその時はよろしくね」

「あぁ、わかった」

「最後に君のステータスはどうする?」

「どうする…とは?」

「自分で1からカスタマイズするか

僕たちが決めちゃっていいのかってことだよ〜」


(僕…?)

「…そういうのはまだ良く分からないから頼んでもいいか?」


かなではエデンの言葉に少々疑問をもったが気にしないようにしたらしい

一方、かなでに頼まれたエデンはとても嬉しそうだ


「いーよ♪」

「助かる」

「ううん!それじゃあそろそろこの辺で」

「あぁ、いろいろと世話になった」

「こちらこそとっても楽しかったよ!

それでは良き人生を!!」


エデンに見送られながら

かなでは意識を手放した─────


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