実は… 2



「…っ!」


エデンは勢いよく頭を下げ、

かなでは絶句していた


「そ…んな…」

「…本当にごめんなさい」


(あぁ、でもそれなら……)


「私に、私という人間に問題があったというわけじゃないということか?」

「そうだね…人生が歪んでいなかったら君はもっと幸せな人生をおくれただろう…

なのに、それなのにっ…その可能性を奪っt「よかった…」」




「…え?」

「私のやってきたことは無駄じゃなかったんだ…」


かなでが小さな声で呟いた

そんなかなでに対してエデンは唖然としている


「君は…怒って、ないの?」

「それは…確かに聞いた時は憤りを感じたが、お前の話のおかげで私の努力が無駄ではなかったということがわかったからな」

「でも…!君はっ…本当は幸せになれたはずなのに!なのに…僕たちのせいで」

「そうかもしれない…だがな、何故のせいなんだ?

そもそもの原因は地球の神なのだろう?ならば、お前が謝る必要はないじゃないか」


俯いたエデンに対して、かなでは心底不思議だというように首をかしげている


「はは…」

「おい、どうした?」

「あはははははははははっ」


エデンが笑いだした

その目からは涙が流れている


一通り笑い終わるとエデンは言った


「うん、うん!そうだね!

ありがとう…!やっぱり君を選んでよかった!」


まだ涙を流しているが、その表情は晴れやかでとても美しいものだった─────







─────────────────────

【ところで】



「ところで、そもそもの原因である地球の神はどうしたんだ?

お前が謝る前にそいつが謝りに来るべきだろう」


エデンが泣き止み落ち着いた頃に

かなでがそんなことを言った


「あ、あぁ地球の神ね…今はたぶん我らが偉大なる主神から罰を受けているはずだよ……」


それに対してエデンの返事は歯切れの悪いものだった


「どうした?顔色が悪いぞ」


「だ、大丈夫だよ

ただ、主神様の罰は言葉に表せないほどキツいからね…」


かなでの問いかけにエデンは早口で答えると身を震わせた

その様子を見て、かなでが息を呑んで聞いた


「受けたことがあるのか…?」


「1度だけね…その時のことは、忘れもしないっ…!」


「そんなに…すまない悪いことを聞いたな」


その時のことを思い出したのかエデンが震えながら言った

その姿を見て尋常じゃないと思ったのか、かなではすぐにこの話を切り上げた






その日、天界で悲鳴が聞こえたのは言うまでもないだろう

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