実は…




「えーと、まずここは天界にある僕が作った異空間だよ♪」

「…なんで私はここにいるの」

「あれ、覚えてないの?君はマンションの屋上から飛び降りたんだよ

つまり、死んだってこと。君自身の意思でね」

「あ…」

「思い出した?で、普通死んだらその人の魂は天界に留まることなく転生するか、力尽きて消滅するかなんだけど」


(消滅…)


「あ、それはもう何度も転生した魂だけだから君は大丈夫だよ」


かなでの心を読んだのか、エデンが付け足した


「で、僕たち神は1人1つづつ我らが偉大なる主神に世界を任されているんだけど、

さっきも言ったとおり僕はまだ新米で大変だろうからってことでいろんな世界の中から選定してその子に助けてもらおうってことになったんだ」


(そういう…ことか……)


「もう分かったみたいだね

そう、そして選ばれたのが君ってわけなんだ」

「わかった…けど、1つ聞いていいかな?」

「なに?」

「なんで、私なの?」

「あぁ、理由ね…僕たちは選ぶときに候補者それぞれの人生を見て言ったんだけど、その中で君の『かなでとしての人生』がダントツで悪かったんだ…」

「っそう…なんだ、じゃあ君は私がどんな人間でどういう風に生きていたかを知っているってことだよね…」

「うん。だから、という訳じゃないけど今君が君自身を偽る必要は無いんだよ」


(…!そんな事まで…

そうか、ここでは私が私でいいのか…)


かなでは一瞬身を固くしたが、その後すぐに肩の力を抜いた

ここに来て1番リラックスしていると言えるだろう

それを確認してからエデンは話を進めた


「話を戻すね…君の人生を見ている時に気がついたことがあった

それは、君の人生に歪みが生じているということなんだ」


かなでは訝しげに眉をひそめた


「そして、これに関して君に謝らなければならないことがある…」

「なんだ?」


かなでの口調が変わった

これが本来の口調なのだろう


「実は君の人生が歪んでいた原因は地球の神の不注意のせいだったんだ…境遇や周りの環境も含めてね…だから、本当にごめんなさい!!!」

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