プロローグ
目覚めと不思議な少年
(どこだここ…)
涼宮かなでが目覚めた場所は
部屋と言うには広すぎる真っ白な空間にポツンと置かれたベッドの上だった
(こういう時なんて言うんだっけ)
「あ、目が覚めたの?」
(クラスの誰かが言ってたな…)
「おーい!聞いてるー?」
(なんだっけ…?)
「ねぇねぇ、ねぇってばぁ!」
(あ、思い出した)
「ねぇ無視しないでよぉ……聞こえてるんでしょぉ……」
(確か…)
「…知らない天井だ」
「無視しないで!」
(さっきからなんかうるさいと思ったら、男の子が何か言ってる)
「ウゥ・・・ 」
(小学校低学年くらいかな?しかも泣いてるというか、泣きそうだ)
(とりあえず…)
「…どうしたの君、どこか痛いの?」
かなではベッドから起き上がり男の子に声をかけた
「さっきから話かけてるのに君が無視するから…っ」:( •́ •̀。):プルプル
(マジか…私のせいだったよ。どうしよう凄くめんどくさい…)
「そうだったの!?ごめんね、考え事してて気づかなかった…!」
「めんどくさいって言った…」
(しまった!声に出てたか…
というか、こんなところ誰かに見られて親に報告でもされたら……まずいっ)
今の状況だと女子高生が小学生の男の子─拳を握りしめプルプルしてる─をいじめているようにしか見えない
「そ、そんなことないよ~そんなことより、私になにかお話があったんだよね?聞かせてくれるかな?」
「いいよぉ…」
(ほっ…これでひとまずは安心かな…ん?)
そこでかなではあることに気がついた
(さっきのベッドがない…というか、私たち以外誰もいない…?)
この場にはかなでと男の子以外、人も物も全く見当たらないのだ
かなでが訝しげに眉をひそめていると、すっかり泣き止んだ男の子が何を言ってるんだかとでも言いたげに言った
「あたりまえだよ、だって此処は僕が創った異空間なんだから他に人がいるわけないじゃないか」
「…創った?」
「そうだよ!」
満面の笑みで男の子は言った
機嫌は直ったようだ
それとは対照的にかなではとても混乱していた
(この子は何を言ってるの?『僕が創った』?『異空間』?)
「…どういう
「あ、そうだ!あんまり時間がなかったんだ!
たくさん話すことがあるから、早く話さなきゃいけないんだよ!」
(遮られた…)
「もー!君が無視なんてするから…僕だってそんなにゆっくりしてられるほど暇じゃないんだぞー!」
男の子はプンプンと文字でも出そうな勢いで怒っている
「えーと、ごめんね…?」
(私が悪いのか?)
「そーだよ!」
(ん?)
「あれ、私今声に出してた?」
「ううん」
「じゃあ、なんで今私の考えたことがわかったの?というか、君は誰なの?」
「あ、自己紹介がまだだったね僕はエデン。まぁ所謂”神”ってやつかな、考えがわかったのもそのおかげ
よろしくね、涼宮かなでさん♪」
「…は?神?」
かなでは話についていけてなかった
そんなことを気にすることもなく、男の子…エデンは続ける
「そうだよ、まぁ神っていっても『世界の管理者』みたいなものだから、日本の公務員とさして変わらないけどね。とりあえずそう思ってくれてたらいいよ
といっても、僕は他の神と比べるとまだまだ新米なんだけどね…だから君に来てもらったんだけど」
「ちょ、ちょっと待って!
神とか意味がわからない!来てもらったってどういうこと!?」
「まぁまぁ落ち着いて、時間が無いから所々省くけどちゃんと説明するから」
そしてエデンは話し始めた
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