第10話 TRPG(ろーぷれ)日記 世界創造 8 より 『未来、異世界惑星デュアルランド』

TRPGろーぷれ日記 きみのいるセカイ


●月●日、世界創造8日め


神様の仕事、セッション

仕事と遊び



ある日、みんなで夕食の鍋をつつきながら猫又がつぶやいた。←鍋には季節はずれだけれどね、自分が準備させていただいた(笑)

お礼兼お詫びの料理だ。


「あれ、キャメロンの『アバター』だよね〜(笑)」←こないだ頼んだ、仕事を交えたセッションのことらしい(笑)

ああ、言われてみたらそうか。

似てるか。


「セッションのイメージはマジックのミラダイン連合なんだけどね(苦笑)」

↑MOD(マジック オブ デュエラーズ)、某有名カードゲームのストーリーシーンのひとつ。

広大で長いサーガの、ある一片の物語


侵略側、フェイ・レクシァンの一滴の液体から始まった侵攻と、対するその世界の抵抗勢力。

油液に侵され、蝕まれてゆく世界と住民らの物語。

ストーリーの結末は二つ用意され、それぞれの陣営を支援するユーザー同士が公式ステージで競い合って結末を決めた、らしい。


そのあたりはよく覚えていない。

自分が三部作のストーリーを知ったのは、お話の結果が出ている、だいぶあとになってからのことだった。


競技会のトーナメントで勝負が決したのか?

選挙をしたのか?投票ならどんな形で権利を得たのか?



お話が横道にそれた。

今回、自分が興味を持ったのは設定の方だ。

↑あのゲーム自身は今でも好きだが(笑)

機会があれば、あれで戦闘解決するシステムセッション、というか世界も作りたい♪

何かのアニメかマンガみたいだけど(笑)


まあともかく、

今回、自分の作ったシナリオは、

プレイヤー側が侵略に対抗する勢力、原住民側に組し、

侵略する敵側である、地球からの植民勢力が行う、地球環境への惑星改造を阻み、追い返すことを目的としていた。


惑星改造は原住民、その星の生物からしてみたら滅亡の危機、住処を奪われないための生存闘争である。



初めはプレイヤー側が植民地を建設する側で考えていたのだが、

ふと思ってあの三部作のストーリーを引っ張り出し、読み込み、いろいろなSF小説を思い返しているうちに、プレイヤー側の立ち位置は逆転していた。


そんなセッションを考えていた折に来た請願のお話。



今回試したのは、

現実に起きた史実の改変作業のために試みたセッション。


現状、人としての自分が現実に干渉するための方法は、

やはり今回のように、TRPGシステムを使うことが制御し易いように感じる。


ただし、ツールとしてTRPGを使うとなると一人ではできない(苦笑)

セッションをプレイしてくれるPCパーティーが、どうしても必要となる。


だから、自分のセッション仲間に助力を願って、手助けをしてもらった。

遊びで使おうと思っていたシナリオが実際の出来事、請願のあった事件と似通っていたからだ。



さて、

現実に起きていた話だ。


ナノマシンによる惑星改造を行いつつ、移民船による植民をする人類の未来のお話は前にした。


あたりまえだが、通常は生命のいる可能性がある惑星には惑星改造を行わない。

今回、不幸な事故が重なってこのようなことが起きてしまった。


こちらに話があった経緯は、異星からの苦情、

正しくは異星の神、管理者サイドからの苦情と請願がこちらの神へと伝えられたからだ(苦笑)


巡り巡って自分のところへ来た話だから、セッション仲間へと話を持ちかけて手助けを願った。

セッションをやる経緯はそんなところだ。



先ほども言ったが、

自分は以前から惑星開発ものをお話としてやってみたいと思っていた。

こんな事件のあった時に不謹慎だが。



惑星開発もの、ロマンだよね〜♪(苦笑)


古典SFとしてのヴェルヌの『月世界旅行』は違うか。冒険だけで開発はしないし。

むしろ『宇宙戦争』のほうが近いか。

地球が侵略をかけられる側だ。


あれ?コンセプト、今回のセッションにちかい?今、気がついた。

『アンドロメダ・ストーリーズ』←竹宮恵子先生のマンガ作品、あのあたりは近いイメージのお話になったしまうかと思っていたが、これは想定外(汗)



えーと、

惑星開発というと、

自分としてはエイヴァリーの『コンラッド消耗部隊』や、パーネルの『地球から来た傭兵たち』、そのあたりを意識したお話にしたいつもりだった。

↑エイヴァリーもパーネルも大好きです♪



『コンラッド消耗部隊』は社会から脱落した社会的不適格な軍人、技術者や、恩赦を約束された専門技術をもつ犯罪者など、

消耗品とされる人々が移民候補地の異星を調査して、植民地となるか否かを、1公転周期(その星の1年)を過ごし情報を集める。


その様子を描いた、古き良き冒険譚、植民地の開拓物語だ。

↑今回のセッションモチーフの始めは、4作のうちの『ゼロスの戦争ゲーム』だった。


『地球から来た傭兵たち』は、

部隊全滅の危機にあった現代の傭兵部隊が、

飛来した宇宙船の異星人集団←異種知性体を含む、に助けられて取り引きを持ちかけられ、異星へ旅立つお話である。


救出の条件は別の惑星での資源、農産物の採取。

異星の人類種を統一し←人類と同種である彼らの文明度は中世…ローマ時代だったか?忘れているなぁ(汗)

その異星人が欲するものを渡すことを約束させられて、その惑星に強制的に移住させられるお話だった。


まあ、異星を舞台にした、開拓、建国物語かな(笑)

今でいうなら、アニメ化したライトノベル、門を通って異世界ファンタジー世界に旅立つ自衛隊のお話や、

昔の有名どころなら、邦画の『戦国自衛隊』ちっくなお話である。


どちらも主人公側が知的生命の世界を訪れるコンタクト型のお話だ。


未開拓の地を訪れ、調査、冒険を行うお話は、今も昔も本やゲームにおいて人気のあるジャンルのお話だと思う。

TVゲームソフトで、RPGという言葉が世に広まる元となった有名RPG、『DQクエスト』や、双璧をなす『FFファンタジー』などの物語、知らない土地への冒険は、今思い返しても胸がおどる。


まあ、今回の事案は、自分のやりたいこと、冒険や調査、開拓のお話とは真逆となる。

視点は惑星開発を受ける側からのものだから(苦笑)



それと、侵略ものではない?が、セッションの物語、シナリオ仕立てはソウヤーの『イリーガル・エイリアン』の、密やかに進行するような陰謀劇、あれをちょっと参考にしている。


『イリーガル・エイリアン』のお話、あれは世界を思い通りにしようとする話で、

厳密には惑星改造をされる側からの話ではないけれど、ああいったお話は、いつかはやってみたい題材だった。

↑『イリーガル・エイリアン』超超傑作❤



また横道に逸れていた(苦笑)


今回のお話、シナリオを作ろうとしたきっかけはそのあたりから始まった。


そこに油液から侵攻するフェイ・レクシァンの世界改造のイメージが化学反応して今の形になったのだが、

実際、現実に起きてしまった話は、

近いが、決してそんな生易しいお話ではなかった。


アニメ、「風が吹くとき」を思わせる、世界がだんだんに見知らぬものに置き換わってゆく気持ち悪さは、ちょっとクトゥルフの世界に近い。

だいぶ精神が削られる展開になった。


ああ、世界が変えられてゆく恐ろしさはこれか。

自分が自分でなくなってゆく気持ち悪さ。



…結局、

お話は大規模な侵攻を抑えるための大反抗作戦、大戦争にまでもつれ込んだ。

セッション回数は20回以上(汗)


うまく物事が運んだなら、最初期の惑星改造の影響を、初めに異変がおきた集落(むら)あたりで鎮静させることもできたのだけれど、

それに失敗したプレイヤーたちは、キャラを5回以上は乗り換え←乗り換えが多かったプレイヤーはセッションごとに乗り換えながら、自分が書き換わってゆく気持ち悪さに耐えながらシナリオに参加してくれた。



事件は解決したし、シナリオも見事に完了したけれど、

セッションの試みは大失敗だ(汗)


一緒に遊ぶ仲間に強いた行為は許しがたい(怒)

仲間たちが途中でセッションを投げ出してしまっても仕方なかったし、

二度と自分とプレイしない可能性もあった。


自分が反省することしきりのお話だったと思う。

もう彼らには足を向けて眠れない(反省)



請願のあった、未来の事件。

それの現実世界への適応←フィクションを現実にすり合わせ、事象改変させる。


その作業には、地球による侵攻、惑星改造のナノマシン群を退けた状況を、今回のTRPGの結果を踏まえて、その情報を核にして事態を解決、

できるだけなかったことに、被害を最小限に抑える方向で収拾を図るつもりだった。



けれども、事件自体を無くし、全てを闇に葬る解決方法には物言いがついた。


異星世界の神、仮に異星神とするが、

自分の守護する異星世界に新たな進化、強靭な発達を促すきっかけにしたいのだそうだ。


それと、帰還が不可能な状態となっている人類種の移民船は軌道上に留め置き、

未来、来たるべき時に新たな邂逅を行なって、平和的なコンタクト、親しき隣人になれるようにしたいと提言された。

あの異星世界は、出自の異なった2つの人類種を抱えた特異な生命圏を持つ世界となる予定だ。


原住種族を祖とし、知恵を他の星からの来訪者から学び、より高みへと至る。

自分たちだけでは成し得るまで時間が必要な道のりを、彼らは一足飛びに駆け抜けるだろう。



神というのは本当に抜け目ない。


転んでもただでは起きないというか…、

自らの擁する種族の危機を、彼らを鍛える事と知恵を得る機会として一度に手に入れようとするとは(苦笑)



ああ、追加セッションをしなければならないな…(ため息)


「実はさぁ…」


みんなに頭を下げる。

「地球側で今回の事件を引き起こした原因のお話、

実はあるんだけど解決に力貸せる?」


「「「「やります!!やるよ!!やる!!…どんなの?」」」」

シンクロした回答(汗)

若干テンションの低いのがいるが(苦笑)


セッションのシステムはサイバーパンクだな。…何使うか?


さて(苦笑)、


改変後の世界…。その未来を自分が見ることはない。

自分には関係のないお話だ(笑)



でも…、

生まれも来たところも違い、

向かうところも違い、

以前には争ったこともある彼ら。


でも、そんな彼らがいつか手を取り合い、


今の自分らみたいに、

ワイワイ話したり、鍋つつく機会がとれるならいいな(微笑)



-あとがきと解説-


読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m


「穏やかな日々、ずっとそんな日が続くと信じていた…。

でも、あの日、

悪魔が蒼空から落ちてきた…。」


こんなイメージでこの異世界のお話は始まったのですね。

でも、残念ながらいろいろな都合で形にすることができなかった。


ナノマシンによる惑星開発、移民を受ける、世界を壊される側の異星世界の物語ですね。

そのエッセンスだけでも残そうと思い、拙作のなかにお話を織り込んだのです(苦笑)

異世界の原始的な知的種族。頭身の低いコミカルな異星人のイメージとして、デザインを考えていたのですね。(SWのイウォーク、トトロの中トトロ、ポケモンの有名な黄色いやつみたいな体型の可愛い感じの生き物です)

侵略行為をより悪く見せるには、その方が適切かな?と。

本文では一切言及していませんが、彼らはそんな感じの生き物と考えながら、

ナノマシンに世界や身体を侵されるイメージとしてお話を頭の中で考えていました。

その辺りは一切読者側に伝わっていってませんが(苦笑)

意識としても作品としても、不備極まりないですね。ごめんなさい。



さて、

手元にあるSFとして提供出来そうなネタが終わりましたので、

いちおうお話は一段落ですね。


また幾らかのネタが貯まったら追加したいと考えておりますので、

完結にはさせないでおくつもりです。


それでは皆さま、

また別のお話か、このお話の続きでお会いできたら嬉しいのです。


ありがとうございました。

ではまた(*´∀`)♪

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