第342話 筆休め。用語集であります!
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未練を残した死者が堕ちる存在。
「我」が強すぎる魂が輪廻に還ることを拒み、生者や死者の骸に憑依し、生命の証である三大欲求(情事と食事と睡眠)を繰り返すことで、自分がまだ生きていると自分自身を騙し続ける人食いの化け物。憑依した肉体との相性が良いほど醜悪で凶悪な怪物の姿になる。
ちなみに相性が悪いと怪物にも成れない最下級の
年月を経るほどに知性を取り戻していくのが我霊の特徴であり、低級は獣のように用心深く、上級は人並みに狡猾。食事によって魂力を取り込む能力があり、人外の強さはその魂力によって支えられているのだが、補給し続けないと徐々に消費していく特性がある。
完全に知性を取り戻すまでにはおよそ百年の年月がかかり、これを『獣の百年』と呼んでいる。
危険度E~Sまでに分類される。
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完全に知性を取り戻したS級我霊。
我霊は知性を取り戻すと『獣の百年』も含めた人間だった時の記憶も取り戻す。
記憶を取り戻した我霊は自分の悍ましさに自死を願う者が多いのだが、名付きは生き続けることを選んだ者たち。
自分は化け物だと自分自身に言い聞かせて化け物を演じ続けている。
彼らは人から外れてしまったゆえに人に憧れている。
捨て去ってしまった人の尊さを感じたいために舞台を作り、人を巻き込んで弄ぶ。
人間賛歌を歌いながら化け物役を演じる劇場型の快楽殺人者。
なお、名付き我霊は半年に一度は成人一人分の人肉を摂取しなければ知性を失う特性がある。
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千年を生きたという最上位の名付き我霊。
日本においては七体いる。それぞれには悪神・怪異から取った名が付けられている。
千年我霊が非道を繰り返した結果、悪神・怪異の伝承が残ったとも言われているが真偽は定かではない。
国外にも千年我霊は存在しているが、彼らも悪神・怪異の名を好んで名乗っている。
引導師たちには『七つの邪悪』。名付き我霊たちには『天の七座』と呼ばれる国内の七体だが、その順番は引導師に発見された順であり、髭のおっさんの格が必ずしも下から二番目ということではない。
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我霊に『引導』を渡す事を使命としている術師。
人の心に宿る
非公式ではあるが、国家の後ろ盾や協力も得ている退魔稼業。
命がけの職業のため、高給取りが多数。言ってみれば一種の自営業でもあるため、基本的に引導師は各家に所属している。古い家系ほど一族の数も実力も高い傾向にある。
ただ、中には一族を追放されたはぐれ引導師や、警察などの秘密部隊として、国家に所属して活躍する引導師もいる。
余談だが、はぐれ引導師は徒党を組んでチームを作ることが多い。
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人の心に宿る術の根源となる力。
生まれた時から総量が変動することはないのだが、例外として我霊の食事や《魂結び》や《DS》で増強することは出来る。
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引導師の戦闘の要とも言える魂力増強儀式。
戦闘の条件、戦闘後の誓約を強力な霊的強制力を持つ《
決闘で相手の心を屈服させることで勝利後、誓約以外にも、相手の魂力を一割ほど強制徴収する権能を得ることができ、また屈服させた相手が異性の場合ならば、性行為をすることで強制徴収権を八割まで引き上げることが出来る。
起源は大陸の房中術という説もあり。《
なお、敗者を『
その関係はどちらかが死ぬか、隷主が権利を破棄するまで持続する。
また《隷属誓文》は大正時代は紙面で、現代ではほぼアプリで管理されている。
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各家系に継承されている術式。
成り立ちとしてはまず初代が異能に目覚め、その異能を次世代にまで受け継いで術式として昇華させたモノになる。
系譜術は様々だが、中はほぼ同系統の術式も多い。(特に炎などの自然現象を操る術は多い)
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天堂院家の研究成果の一つ。
魂に刻まれた根源の力の発露。
簡単に言えば個人独自の異能のことであり、引導師の初代の力と同じのものである。
天堂院家は意図的に初代となる存在を作ろうとしていた。
なお、基本的に独界に目覚めている者は
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独界の最大顕現。巨大なる力の化身。
別名、
術師を内包して魔獣となる
真刃は前者。六炉や燦は後者になる。
大きさは魂力に依存するが、現状では25~100メートルほど。
あまりにも戦闘の規模が大きくなりすぎてしまうので封宮か結界領域内でないと扱いにくい力。
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《DS》によって引き出される疑似的な象徴。
ただし《DS》を使えば誰でも発現できる訳ではない。
引き出せた者は
基本的には象徴と変わりないのだが、戦闘能力は大きく劣る。
大きさも人間サイズから最大でも10メートル級まで。
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個人の魂力の量が増大傾向になったことによって、近年で発現された結界術。
術者のイメージを世界に反映させて、異相世界を創る術式。
展開すれば入ることも出ることも難しい。何でもありの想像力の世界。
しかし、コスパは最悪で発動させるだけで魂力は1000消費。封宮内の形を変えるだけでどんどん消費していく。戦闘に使えば相手を倒す前に魂力が尽きてしまうので戦闘向きではなく、一般的には敵を封じ込め、被害を抑えるための戦場と考えられている。
そのため、非戦闘員の結界師として
なお封宮は同時に発動させると、互いのイメージがせめぎ合うか、混じり合う様な形になる。
ちなみに現状、封宮だけで戦える引導師がいるとしたら、真刃と神楽坂姉妹だけになる。
ただし、姉妹は妹の方が戦闘に不向きな性格をしているため、好んで戦闘に用いるといった考えはない。
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結界術その2。
現実世界をコピーして異相世界を創る術式。
元々は我霊の獲物を引き寄せて閉じ込めるという習性から、名付き我霊たちが開発した術式。
A級以上から使用できるが、A~知性のないS級は何となくの獣の勘で使用している。
特性として展開すると出るのは難しいが入るのは簡単。引導師などは展開時にたまたま領域内にいると強制的に紛れ込んでしまう。
封宮ほど何でもありではないが、細かい条件設定は調整できる。
ただし、術者にとって有利な条件を織り込むほど領域を大幅に縮小するなどをする必要がある。
パラメータの割り振りに似たようなところがある。
とはいえ、コスパは素晴らしい。封宮に比べれば魂力の消費は10分の1以下になる。
領域内の被害も現実世界に反映されたりはしない。
余談だが、結界領域は引導師にとって会得したい第一位の術式。
これさえあればコスパ最悪の封宮や人払いの術に頼る必要がなくなるからだ。
しかし、術式を知っているのは名付き我霊だけなので、どうにか盗めないか、もしくは類似した術式は創れないかともやもやしている引導師が多い。
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以上、筆休めでした。
引き続き、本作をよろしくお願いいたします!
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