第4話 メルケル首相への手紙
ドイツの「再生可能エネルギー」政策は、
『発電に占める割合を現在(2011)の17%から2020年には35%に、2030年まで50%、2050年までに80%に引き上げる』とするものです。これに対してこの本の著者*は、やる気になれば2050年ではなく2020年までに可能だと言います。
著者マティアス・ヴィレンバッハーは、入院中に偶然読んだ風車の記事に興味を持ち、たった1台の風車から風力発電をスタートさせ、再生可能エネルギー分野における世界トップレベルの企業(社員1200)juwiグループの代表になった人物です。政府の視察(チリ)旅行に招待され、機内でメルケル首相にエネルギーについて話をしたいので時間を下さいと言うと、「それなら手紙を書いてください」になり、かれはその手紙を本と云う形にしたのです。
メルケル首相、どうか『エネルギーの大転換』を後退させないで下さい。願いを叶えて下さるなら自分の会社の持ち株を全部メルケルさんに捧げますと書いているのです。昨日ドイツ産業界の決意を述べたが、17基の原発の廃止はもはや動かしがたい事実ですので、ドイツの場合褐炭火力発電のウエイトを出来るだけ維持しょうとする後ろ向きの動きが産業界には存在するのです。それを著者は心配しているのです。本は、実践者として『エネルギーの大転換』がどのようにして可能かを、易しく丁寧に説明をした良書です。
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