第2話 メルケルの英断

事故の4か月前、CDUとFDP(自由民主党)のメルケル連立政権は脱・脱原発*を決議したばかりであった。17基の原発の稼働期間が延長されたのである。直後にあった州選挙でFDPは惨敗、緑の党は躍進、58年間政権の座にあった州でCDUは敗北。これが国民の声であった。メルケル政権は2020年までに原子力に終止符を打つこと決定した。2013年の国政選挙でFDPの惨敗(93議席が0)を見れば、メルケルは見事な選択をしたことになり、メルケルを助けたのは皮肉にも福島と云える。


チェリノブイリの時、放射能が風に乗って実際被害が予想されると慌てた。しかし原発の廃止までは行かなかった。ドイツ国民は〈あのテクノロジーの発達した、安全管理に定評がある〉日本で起きたことにショックを受けたのである。

かくまで日本は信用されていたのである。もう一度あれば世界は日本をどう見るかは明白である。ドイツは地震国ではない。そのドイツが福島で決断し、日本は何も決断出来なかった。これからのドイツと日本を次回は比較してみたいと思う。

*2002年前政権(社会民主党)は2021年前後に原発の廃止を決議していた。元に戻しただけ?私はやはりメルケルは「えー断」だったと思う。

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