めいどかふぇ その12
毬夢ちゃんは平然と自分の胸の事をドッペル君に話しちゃってますし、ドッペル君もドッペル君で普通に受け流してます。私が思うよりも2人の仲が進展している、と解釈していいんでしょうか。
けど、そうなるとどうして莉央ちゃんを連れて来たんでしょう。毬夢ちゃんにとって、莉央ちゃんは親友であると同時に
けど……確かに、仲良くなるなんてあっという間の事なのかもしれませんね~。私とあなただって、まだ数えるほどしか会ってないのに色々と遠慮をしないような仲になっちゃってますし。
例えば、ですか……そう、私の胸を憐れんできたり、ガン見してきたりするじゃないですか。……してない? いーえ、女の子はそういう視線に敏感なんです。私、知ってますから……だーかーら! 絶対にガン見
「ん……? 今、声しなかったか?」
やばっ、こっちに! 早くくっ付いて! 見つかっちゃいます!
「そう? 気のせいじゃないかな? 足音も別に聞こえなかったし」
「……そうかもな。女子トイレに入る事自体これが初めてだから、浮足立ってるみてぇだ」
ふぅ、危ない危ない。いくら小声とは言え、気付かれる時は気付かれちゃいますよね。……今のは主に私のせい? ナンノコトヤラ。
「んで、話戻すけどさ。そもそもの話、樹々君は莉央と話したくないの?」
「……そりゃあまぁ、話したいとは思うが」
まぁ、ですよね。ドッペル君は樹々君の全てを受け継いでるんですから、莉央ちゃんの事が好きという気持ちも受け継いでいるはず。そこに偽りなんてあるはずないですよね。
(けどなぁ……いくらチャンスとは言え、よりにもよってメイド服&ウィッグ&ネコ耳の完全女装。立派な猫になるために客に奉仕するメイド、というわけの分からん〝いつき〟ちゃんモード。この状況下で、一体どのように莉央との会話を楽しめと……?)
ドッペル君、葛藤してますね~。まぁ、言いたい事は分かりますけど。
「樹々君、なんか難しい事考えてる? 莉央がにゃんにゃんしたら可愛いって思わない?」
「!? それは、間違いなく可愛いな……」
確かに、そういう事をやるイメージが全くない莉央ちゃんですからね。ギャップ萌え、ってヤツでしょうか。
少しだけ悩む素振りを見せたドッペル君は、何かを決意したような顔で毬夢ちゃんを見やります。
「しゃあねぇ。今回はその話、乗ってやるよ」
イヤイヤな感じ出してますけど、あれ完全に莉央ちゃんのにゃんにゃんを見たくてしょうがない、って顔ですよね~。
「ふふ、そう来なくっちゃ。樹々君のにゃんにゃんも期待してるからね!」
「……お前、自分が安全圏にいると思ってねぇか? にゃんにゃんはお前もやるんだからな、全力でやれよ?」
「ふ、ふふふ、その程度、楽勝なのだよ……!」
目を泳がせて言う毬夢ちゃんは少し涙目です。わりとホントに自分はやる必要がないと思ってたみたいですね。時々天然さんなんですよねぇ、毬夢ちゃん。
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