お姫様はいない
春風月葉
お姫様はいない
校舎の裏、いじめっ子ちゃんがいじめられっ子ちゃんをいじめていた。
そこに一人の男の子がやってくる。
いじめられっ子ちゃんに片想いをしているいじめっ子ちゃんの幼馴染だ。
いじめの現場に颯爽と現れた男の子は王子様のように悪いいじめっ子ちゃんからいじめられっ子ちゃんを守った。
いじめっ子ちゃんは逃げるようにその場を去るとそのまま校舎の影に隠れた。
まだ泣き止まないいじめられっ子ちゃんを優しく抱きしめてあげようとして、男の子はその手を止めた。
そして片方の手を下ろしてもう一方の手でいじめられっ子ちゃんの頭を撫でた。
影から様子を見ていたいじめっ子ちゃんは一言、意気地なしと呟いた。
男の子は知っていたのだ。
いじめっ子ちゃんが悪い魔女になろうとしているその理由を。
かわいそうな二人、本当の悪い魔女は涙など流していなかった。
その子はくすりとほくそ笑んだ。
お姫様はいない 春風月葉 @HarukazeTsukiha
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