第5話
人類世界における常識とは魔族悪、人類善である。それは対立の生まれて以来数百年に渡る常識であり、共通認識であった。
「おい!聞いたか?王様を追い出した、逆徒に対抗する為に王様の支援に魔族は来たらしいぞ。レマゲンでは王様が大公様とロイゲン侯爵と街中をあるかれたらしい!」
聖都レマリア出発前、王権軍と対魔王軍の交渉として指定された会場はレマゲン。レマゲン中央門から堂々とアウグスト3世とクロード大公、オットーが行った行進は行商人や傭兵の口を通じて抑えきれない騒動となっていた。
名君と呼ばれるアウグスト3世は国内の人気も高く徴募兵の離反が続出、勇者ハヤトも民衆からの攻撃を受け逃走をしている。
流石の彼も非武装の民衆を攻撃出来なかったらしい。まぁ、石を投げる程度だからな。
交渉結果は即時停戦。王都に対する裏付け調査を行う。緩衝地帯として大公領の西ローザ地方とレマゲンの位置する東レマゲン地方を非武装地帯とする事を決定した。
更に対魔王軍の次席司令官ヴァイハルト・テイロス公爵、王権軍俺ことヴァン・ヨハネス・フォン・クロード大公、魔王ローザ・ルクスリアの三頭会談を大公領都アスターテで開催。
決定した内容は即時停戦。更に非武装地帯による緩衝地帯の制定。逃亡し反乱に加担した勇者の捜索が決まった。
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聖都レマリア到着。天の母上、父上私は耐えきりました。
「ルキア、行くぞ。」
ニコニコと笑顔で着いてくる。可愛い。
「はいっ!」
関所は勇者の要望でやってきた行商人と言う設定の為スルー出来る。今すぐ連れていくわけでも無く、結構は明後日に決まっている。
今日は現地のエルフの司教の邸宅に入る事になっている。
「ここだ。ルキア、ロードン。」
もう1人、エルフの魔術師ロードン・ファルターを伴って来た。
事前に確認して合った符牒を交わしお互いの状況を報告し邸宅に入る。
「お待ちしておりました。ヴァン様。司教ルクスでございます。」
ルクスは俺が10年前、まだ12の頃に領地の司祭として領都の教会に居た。年齢は寿命が800歳位の通常のエルフでは異例の917歳。
だが、見た目は人間で言う50代後半に見える。
「勇者は?」
「ヴァン様、サヤカ殿は勇者と呼ばれる事を嫌っております。サヤカ殿と及び下さいとの事です。こちらに。」
先導し邸宅の奥にあるひとつの部屋に2人の勇者が居た。完全にこちらに通じている勇者サヤカともう1人彼女の友人だという、勇者ユウカ。
「初めまして、ヴァン・ヨハネス・フォン・クロードです。よろしく。」
「サヤカです。サヤカとお呼びください。ヴァンとお呼びしても?」
若い、否幼い容貌の少女。
「構いません。失礼ながらお歳は?」
「18になります。」
18!俺と歳では4つしか変わらないのか。
「あまり歳は変わらないのだな。失礼、紹介がまだだったな。この女性がルキア、もう1人がロードン、魔術師だ。」
「よろしくお願いします。もう1人がユウカです。」
ぽかんとしていた、ユウカはこちらにやっと反応し、くいついてくる。
「ちょ、ちょっと!あんた達誰よ!」
こちらはサヤカより劣るな。
今の台詞にルキアが反応するが、予め口を開くなと言ってありそれを守ってくれている。
「失礼しました。お嬢様、私はヴァン・ヨハネス・フォン・クロードアザリアーノ王国大公王権軍の頂点で有り、国王の甥に当たります。貴方方は戦闘を拒否されているそうで。」
ムスッとした表情、不機嫌さを隠そうともしない事から見た目相応にこちらは幼い、否サヤカの方が成熟しているのか。
「それは、してるけど。てっ、そんな、偉い人間がなんでいるのよ。」
それは、貴女方の為ですよ。
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