第6話 漆黒の闇になって
日は沈み、星が見えて数時間が経った。基地ではヘリコプターのUH-1『ヒューイ』が3機、プロペラの起動を始めた。そして、リーパーのヴェノムもプロペラの起動を始める。
「我々はあくまでリーパーの支援だ。今回は隠密任務の為、基本はリーパー単独の
『了解!』
ソコロフの任務の最終確認と、隊員達の強い意志が感じられる返事は、ヘリコプターのプロペラの音をかき消した。
「良いんだな?これで。」
ソコロフは戦闘装備で全身を固めているリーパーに最終確認をする。
「もちろんだ。俺はウクライナの件をストライク・ブラック本部からも一任されている。俺はここでは唯一のストライク・ブラックの戦闘員でもありウクライナ方面の
「了解しましたよ。司令官殿。」
「お前は俺の部下では無い。」
リーパーはソコロフをインターフェース越しに見る。
「何言ってんだ?お前は俺の部下だ。って事は、お前は俺の、、、。いや、俺達の司令官だ。」
ソコロフがそう言う。
「全く意味が解らないが、まぁ良いだろう。お前は俺の部下だ。」
「了解。」
「さぁ、出発だ。忘れ物をするなよ。」
『了解。』
リーパーは自身のヴェノムへ。ソコロフの部隊は3機のヒューイに分乗した。
そして、ヴェノムと3機のヒューイは漆黒の星空へと羽ばたいた。
ヘリに乗ってから1時間程が経った。時刻はもうすぐで0時。ヘリの窓からは親ロシア派の基地が見えてきた。
『見えてきたぞ。我々はポイントに向かう。繰り返す、我々はポイントに向かう。』
リーパーのインターフェースにソコロフからの無線が聞こえた。
『各員、ラぺリング降下開始。Go!Go!Go!』
ソコロフの部隊は、ヘリからラぺリングで降下を開始。スナイパーと観測手は狙撃ポイントへ、増援部隊は待機ポイントへ向かった。
『リーパー。待機ポイントに着いた。指示を待つ。』
「了解。まぁ、指示を出すことは無いと思うがな。」
ソコロフの部隊は準備が整ったようだ。
「コリブリ。そろっと俺も降下をする。」
「了解。地面に近づけます。」
ヴェノムは地面に接近し、地面がすぐそこまでだ。しかし、暗いため地面は見えない。
リーパーはヴェノムのドアを開けて真っ暗な地面へと降りる。
「それじゃあ、行ってくる。」
リーパーは暗闇をインターフェースの暗視スコープを頼りに進み、ヴェノムは星空へ羽ばたいていった。
リーパーは基地に近づいた。すぐそこにはAK74uを装備した親ロシア派の兵士が見回りをしている。
リーパーは自分のホルスターからG18Cを取り出し、サプレッサーをネジの
ようになっている銃口にクルクルと装着する。
そして多弾数マガジンを装着して銃上部のスライドを引いた。スライドの音は、快くも残酷な装弾された音がした。
そして、セミオート状態で敵兵士の頭に銃の照準を合わせる。
照準が合うと、人差し指でG18Cのトリガーを引いた。
『パシュッ!』という消音された銃声と共に、敵兵士の頭から血が溢れ出て、地面に倒れる。恐らくもう彼は死んでいるだろう。
そして、リーパーは死体を暗闇に引きずって隠す。そして、肩に装着してあった無線機を取ると、もう用の無い死体はそのまま放置された。
『上出来だな。』
インターフェースの無線からソコロフの声が聞こえた。
「無駄な事は話すな。」
『了解。』
ソコロフはリーパーに怒られてしまった。
リーパーは基地に潜入した。外のテントでは、敵2人がラジカセで音楽を聴きながらトランプをしていた。
「はい上がり。俺の勝ちだ。」
「ファック。また負けちまった。」
どうやら酒を飲みながらブラックジャックをしていたらしい。そこに、
「いや、俺の勝ちだ。」
リーパーが音のしないように近づいてからそう言い、二人の首筋にナイフを入れた。
「ほら寝てろ。」
リーパーは殺した2人をテーブルであたかも酔いつぶれているかのように『寝かせた』。
リーパーは兵舎に向かった。兵舎は3つほどあった。適当に端っこの兵舎のドアを開ける。兵舎の中は真っ暗で、二段ベッドがたくさん置いてあった。そして、そのベッドには親ロシア派の兵士達がスヤスヤと寝ていた。
「おやすみ。いい夢見ろよ。」
リーパーはG18Cを寝ている兵士の脳天に向けると、『パシュッ!』と撃った。
兵士の頭からは、鉄臭く生暖かい鮮血と灰色の柔らかい破片が飛び散った。
そして、手慣れているかのように端から端、右から左へ、上から下へ、同じ作業を繰り返した。そして、G18Cのスライドがストップし、弾薬が無い事をリーパーに伝える。
「ちょっと調子に乗り過ぎた。こんなんじゃあ、あと2つもしたら残弾がなくなっちまうな。ちょっと借りてくぜ。」
さっき殺して『寝ている』兵士のポケットから弾薬を補充する。しかし、兵士達のポケットからはナイフ、トランプ、金、証明書、タバコ、ライターやマッチ、そしてコンドームしか無かった。
「こいつら何も持てねぇのか。てか、こんなクソ男共は『ゴム』なんか持ってても『ヤる』事なんざ無いに決まってる。あぁ、無理やり犯すときに使うのか。いや、待てよ。強姦するときなんざ『ゴム』なんかしねぇで『生』で『中』に出すのか。」
どうでも良いことをリーパーは自問自答する。そして、何も無かった為、隣の兵舎へ。
「死神だ。邪魔するぜ。」
ここもさっきの兵舎と同じ作りで、二段ベッドがあり、そこで兵士達が眠っていた。
「銃の弾薬を節約しないとな。」
リーパーはナイフを取り出す。
「それじゃあ、おやすみ。」
リーパーはナイフで寝ている兵士一人一人の首筋を切ってを『さばいて』いく。
そして全員『さばき終わり』、持ち物を確認する。ここでもさきほどと同様の持ち物しか持っていなかった。
「こいつらは本当にロクなモンを持ってねぇ。9mmくらい持ってろ。バカ共が。」
リーパーはそう言うと、近くにあった死体を蹴る。すると、死体の腕が本来向かない向きに向いてしまった。
「あ、悪い。」
そう言うとリーパーはこの兵舎も後にした。
『リーパー。遅いぞ。早く基地の施設内に潜入しろ!』
ソコロフから苦情の無線が入った。
「悪い悪い。俺の自己満足だ。それより、バカ共が大量にコンドームを持ってたんだが、要るか?」
『んなモン要るか!バカ野郎!』
『いや、全部持ってきてくれ。』
ソコロフはブチギレたが、ケレンスキーがどうやら欲しいらしい。
「いや、お前は要らないだろ。って事で。」
リーパーは無線を切った。
「あと1つは爆散させるか。」
すると、リーパーは兵舎の中に横に積んであったガソリンの入ったポリタンクを持ってきて、6つほど放り投げて兵舎の入り口を適当に積んであった土嚢で塞いだ。
ポリタンクを放り投げた音でも中の兵士は起きなかった。相当爆睡しているようだ。
「あとはC4をここに置いて終了。脱出する時に起爆させれば面白いぞ。」
リーパーは持参したC4を兵舎の入り口に置いた。
色々な所で道草を食っていたリーパーだったが、基地の施設内に潜入した。基地の中は明かりが点いているものの、誰もいなかった。恐らく明かりの点いていた
『こちらHQ。CP、調子はどうだ?』
リーパーは無線機を持ってこう答えた。
「あぁ、こっちは順調だ。異常無し。でも、
すると敵は、
『つまらない冗談だな。アウト《通信終了》。』
と返した。
「何がつまらない冗談だ。ぶっ殺してやるから待ってろ。」
何故か逆ギレして無線を戻した。
薄暗いく密閉された部屋の中で、若い女性兵士が手を鎖の様なもので拘束されたまま、親ロシア派兵士の男に強引に腕を掴まれている。
「放せケダモノ!放せ!放せぇっ!」
「大人しくしてろっつーの。」
その男は、抵抗している女性兵士の胸を強引に揉みしだく。
「っ!止めろ!このケダモノ!離れろぉ!」
「誰が捕虜の言う事なんざ聞くかよ!ほら、抵抗してみろ。」
その男は涙目の女性兵士の股間をさすり、『弱いところ』を激しく擦る。
「アァッ!やめ、、、ろ、、、、。」
「ほら、気持ちいだろ?もっとしてやるよ!」
今度はその手を下着の中に入れて、『例のところ』に指を入れて激しく抜き差しする。
「ハァッ、、やめっ、、、アァッ、、」
下着の中がグチャグチャに濡れる。
「それじゃあお楽しみだ。たっぷり孕ませてやるぜ。女として産まれてきた事を一生後悔するんだな。」
「やめてぇ、、、。お願いぃ、、、。助けて、、、、。誰か、、、。誰かぁあああ!!」
その女性兵士は瞳に大量の涙を浮かべていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます