もてあます承認欲求

誰だって、人の上に立ってふんぞりかえりたいって思っているでしょ?

すごいねって尊敬の目をむけられて街中を歩いていたいでしょ?

なのに、なんで謙遜するのが良いってみんないうのだろう。


私は、いつだって、誰かに素晴らしいいと評価してほしい。

すごいねって、かしこいねって。天才だねって。

ほめてほしい、もちあげてほしい。

頑張ってきたよねって、全肯定していてほしい。


それがただのお世辞だってことはわかっている。

彼らが見せてくれるのは、ゆがんだ鏡に映されたまやかしだって。


でもその虚像にすがりつくしかない。

わかっているから、誰かに褒めてほしい。


だって私は私を肯定できない。

自分の中身が空っぽだって知っているから。

自分に価値がないことを誰よりもわかってる。


でも、私が肯定できる人間が私を褒めてくれるなら

その中身がほんのちょっとだけ満ちているようにみえるんだ。

人を見返したい、馬鹿にされてきた分をふんぞり返って馬鹿にしたい。

みんなにはすごいなって言われたい。褒められたい。

尊敬しますって言われたい。

だってそうしなければ私は私を肯定できないから。


こんなどうしようもない承認欲求を抱えて今日も生きている。

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