第2.5話 二人の親友は正反対である
「おはよーっす」
「あれ、早かったね
「
「ん~……なんのことだろ?」
「とぼける、なっつの」
「いたっ」
窓際で
「痛いなあ」と困り眉になって額を抑えるが、俺はあの時首が絞まっていたからこんなもんじゃあない。
「もう、女の子を叩いたりしちゃだめだじゃない」
「俺とお前の間にそんなのないようなもんだろうがっ」
「ちょ、止めてよ誠っ、髪乱れちゃうから!」
桜花の頭に手を置いて、
毎朝丁寧に
そして、そのちゃんとした髪をくしゃくしゃにするのはかなり楽しい。しかも良い匂いがふわっと広がり癖になる。……後でかなり怒られるが、俺を置いていった罰である。
「おーおー誠。今日も桜花ちゃんとイチャイチャしやがって、いやあ、お
「こらタカヤ、そう
「タカヤ、
桜花の頭から手を離し、よくよく見知った二人に目をやる。
「まあな。今日は桜花ちゃんは日直で朝早い。で、新学期始まったばっかで気ぃ引き締めてるだろうから誠を起こしてくるのは予想ついたからよ~」
「お前、ホント変なところに頭使うよな」
キシシと笑うタカヤは、その
今の通り頭もよく回るのだが、こうしてろくなことに使わない。
それなりに長い付き合いだが、いまだに
「誠は
この
武崇は
お陰か今どき
ずぼらな俺、胡散臭いタカヤ、
タカヤたちと軽く言葉を交わしながら桜花の頭から手を離し、自分の席にカバンを置く。
「さてっと……俺飲み物買ってくるけど、お前らは?」
「オレは
「ほうじ茶を頼む」
「いや着いてくるかって聞いたんだよさらっとパシらせんじゃねえ! そういうことならジャンケンだ。ジャンケンで決めっぞ!! じゃーんけーん!」
「「「ポン!」」」
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