ユレる


常夜灯で薄暗い、死んだ部屋。

死んだ布団で浅く呼吸を繰り返す

生きているわたし。


君に、お前は何処に行きたいの?って聞かれたい。何処にも行けないよ。

だから君が連れて行って。

ああ。なんて安っぽい。零れた嘲笑を隠す。


耳元を伝って、枕に染み込むだけの液体を価値あるものにしたい。無意味なんてきっと嘘です。

君の一部になりたいな。なれないなら君が呑み込んでしまえ、わたしを。

って願望があるの気付いてた?


視界の端で火をつけたキャンドルが嗚咽を零すように揺れている。

ここで漏らした言葉達も、

天井を見上げるだけのわたしも、

辿り着かない場所を渇望している。


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