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どんどん記憶が蘇る。都合のいいことだけ。
こんなんじゃ本当のことは伝えられないね。
思い出せないことはいつか君が埋めて欲しいな。なんて、そんな時は、来ない、かな
僕が少しづつ歪んだ愛情を伝えるようになって、僕が君を求めることが増えて、僕が物足りなくなって、僕が君に無理やりキスをするようになって。
僕が、僕が、って自分のことばっか。
それなのに君が初めて、抱きしめてくれたことがあったね。絶対に忘れないよ、あれ以上の宝物もってないもん?
もうこんな関係辞めよう。ってどっちかが言ったあの日。多分君だけど。
うん、とも言えなければ、わかった、って素直に飲み込むこともできなかったのに。
君が僕を抱きしめたんだ。
なんだっけ?やばい顔してたんだっけ?
そんな理由で抱きしめてくれたあの日。
そんな君を裏切るような嘘をついた。
君を騙して、試したんだ。
「昔、男遊びしてたって本当?」
「昔の同級生に聞いたんだけど」
聞いたのは本当。でも、昔の同級生なんかじゃない、君の幼馴染から聞いた。
僕は多分それを信じた。
だから君を試した。
君が不機嫌になった。よくわからなくなった。君の家に行って君を待った。君は今は会いたくないって言った。
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