第2話 どこでもドア

 お久しぶりです。内村です。夏季休暇をいただいていましたが、今日からまた頑張っていきたいと思います。

 商品開発案 (仮称)どこでもドア

商品概要:空間をワープすることが出来どこにでも行けるドア型の空間転移装置

本日はこれで勝負します。

寺沢部長からの懸念点は以下になります。

・空間転移に関する危険性は?

・プライバシーの問題は?

・国境を越えれるのであれば、出入国管理は?

・テロに利用される危険性は?犯罪助長にならないか?

・経済への影響は?

・使用可能時間は?

・人間以外の移転は?


本件、お答えさせて頂きました。

・転移において身体に影響が出ている案件は確認できませんでしたが、時として意図しない場所に開通してしまい、転落等の危険性は少なからずあると思われます。

・プライバシーの問題に関しては、移動者の意図で空間転移が行われ、転移される側の承認は必要としない方式を採用しており、改善が必要と思われます。

・国境は越えられます。出入国管理を受けている様子が無いので、使用の際は国際問題にならぬよう、事前にビザ等の発行を受ける必要性を感じます。本件に関してはやや法整備が必要と思われます。

・テロや犯罪に関しては、物凄くやりやすくなると思います。要人警備の観点からも本製品を利用されない様な対策は必要です。。。

・経済への影響ですが、輸送業に関しては本製品が出来ると必要なくなるのではないでしょうか?また、交通に関しても車いらない、ガソリンいらない等大きく社会が変化し経済的には大きな変化が生じると思います。ベーシックインカムを考えていくきっかけになるかもしれません。

・使用時間に関しては制限はありません

・人間以外も転移は可能です。海の中とつながった場合は、水びだしになる可能性がありますので、使用上の注意としての記載が必要です。


残念ながら、商品開発案 (仮称)どこでもドアに関しては、廃案になりました。寺沢部長の見解は以下になります。


 (仮称)どこでもドアは、現在の国際情勢において大きな懸念点を抱えている。商品を開発することで、国際的に大きな問題に発展する可能性が高く、会社として開発に関して積極的に行う分野ではない。

 また、一方的に空間を超え他人のフィールドに入る装置である(仮称)どこでもドアに関しては人間社会にとって大きな弊害であり、商品コンセプトとして大きな欠点を抱えているとしか思えない。

 今後、社会に貢献できるような商品開発を行うよう、求める。


 本件で、私は訓告の処分をいただきました。

 便利なものが、必ずしも求められているものではないという事です。

 日本は、あえて不便にすることで生活が成り立っている側面があるのかもしれません。。

 




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アニメの道具を規制大国日本で商品開発会議に出してみた T-たっくん @T-takkun

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