第2話
駅の改札口でオロオロしている女子生徒に近づく、困ってる人ほっとくわけにはいかない。
それが同じ学校の生徒ならなおさらだ
「すみません。どうしましたか?」
「ひゃう!」
急に声をかけたせいかめちゃくちゃ驚いたようで
壁の端っこまで逃げてしまう。
「あっ、その制服は」
「そう。私も山王の生徒です。困っているように見えたので、話しかけてしまいました」
微笑みながら声をかけたが、やはり初対面だからか警戒はされている…しかも女子生徒の制服の胸元には星付いてるし…特進科の生徒か…とか考えていたら、女子生徒が胸を手で覆いながら半身になる
「…助けるとか言って胸ばっか見てる人の助けはいりません」
「胸…!?いやいや!違う違う!ちょっと考え事してただけで…」
「だからと言っても別に見る必要性ないですよね!もう向こうに行ってください!改札ぐらいなんとかして通ります!」
と捲し立てると、女子生徒は改札方向へ向かいそのまま定期や乗車券を使わずに改札を突き進もうとする。改札のドアが閉まりまたあたふたする女子生徒…はぁ…
「切符か定期は?」
「…」
「そのまま突っ立ってたら後ろの人の迷惑になるぞー」
迷惑になると言われるのが嫌だったのだろう
渋々切符を渡してきたので代わりに入れてやる、扉が開き女子生徒が改札を抜ける。俺も定期を使って抜ける。予想通り電車の乗り方もわからない偉いさんの娘であることがよく分かった。
「…ありがとうございます」
「気にしなくていい。むしろ乗り方ぐらい教えて貰っとけよ」
「乗り方ぐらいわかりました!もういいです!さよなら!」
怒りながら、先に歩いていく…確かに胸はデカかったな〜
「勇治、お前藤宮さんと知り合いやったんか?」
「藤宮?誰それ?」
「お前!さっき喋っとったやないか!黒髪ショートカットのべっぴんさん!けど、行動がめちゃ可愛らしい学園きっての人気者!しかも成績も特進科で1番という藤宮財閥のご令嬢!」
「知らないね、興味無いし」
「アホやなぁ〜俺やったらここで知りおうたなら仲良くなるためにあの手この手使うのに!」
「はいはい。遅刻するから早く行くぞー」
歩き出した俺の後ろを半歩遅れて秀樹がついてくる。
新学期初日幸先のいいスタートだな
お嬢様の護衛 @GHOSTEYE
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