第7話 うらばなし きつねのきょん −せかいのおはなし− より 『後半1』

『きつねのきょん -背景世界の説明、座談会風-』

つづきです



「解説わ引き続き、稲荷狐と、猫又でお送りします」


「で、なにやるの?稲荷ちゃん、今度は」


「作者の書きかけの文章をテキストにして…、」


「酷評して、ばっさり斬ったり、ちゃちゃ入れたり(笑)」


「じゃないっ!!

解説するの(怒)」


「でわ、

以下が作者みなはらの書きかけ原稿の抜粋です」


「抜粋っていうか、

プロローグのほぼ全文だよね〜(笑)」


「みなはらってやつは、ざっくりプロットは作るけど、そこでやりたいシーンを思いついて書き出すと、

「ほったらかしにして、寝かしたり、忘れたり、

急ぐときは、見切り発車で書き始めて、キャラに丸投げしたり、

「あたしたち、キャラ任せなとこがあるよね(笑)」


「わかったから、猫又ちゃん。

下がその時の物語だよね。猫又ちゃん。(ちゃんと進めてよ!!)」



「でわ、解説を交えて記載いたします」



 −テキスト1−


タイトル『半猫の白竜(パイロン)』−バビロンの猫−



−ナレーション−


この街の空は狭く暗い。


それは薄汚れた摩天楼、都市のビル群のせいばかりでは無い。


空へと無限に伸びる塔のごとき、起動エレベーター、あれが全てに影を落とす。


起動エレベーター、『ビーン・ストーク』、

だが、この街に棲むものは、誰言うともなくこう呼んでいる。『バベル』、そしてこの街の名は『バビロン』と。



「解説1です」


「えーとっ、

作者はこの時点で、街の正式な名前わ決めてません」


「吾輩はバビロン。投げたから、名前はまだない(笑)」


「こらっ、猫又ちゃん!!」


「はいはい(笑)」


「『ビーン・ストーク(豆の木)』、実わ複数本ありまして、

赤道上に、等間隔に建造されています。

「だから、街も複数あるんだよ」


「それで、場所によって海上とかわ、洋上プラットフォームというか、洋上都市みたいなところもあるの(笑)」


「稲荷ちゃん。

あれさ〜、『起動エレベーター』なんて言われたり、『ビーン・ストーク』なんて書かれているけどさ、

実際は浮いてるんだよね(笑)

「法隆寺とか、いろんなところの五重塔。あれの心柱みたいにさ、釣り下がっているわけ。

「固定の為のカバーや、ワイヤーフックなんかで、下側、半固定されてるけどね(笑)」


「そうなんだ。

あとわ、いいかな?(猫又ちゃん?)」


「サブタイトルの半猫っていう表現ですけど、

白竜くんが生粋のあやかしでなく、あやかしの猫又ちゃんと、人間とのハーフだっていう悪口だという話です」


「ほんと、バカな話だよね(笑)

きょんちゃんの時代には、生粋のあやかしなんてのは、地球にはほとんど居なくて、血筋、血統なんて意味ないんだよ(嘲笑)

「力や勢力でいえば、電脳世界に棲む、電脳妖精、電脳神。あっちが全然上なんだよ。

「ミジンコとクジラの差の、それこそ100万倍くらい離されてる(苦笑)

それで、生粋や半竹もあるもんか」


「あいつら、今度狩りに行こうかな?(暗笑)」



 −テキスト2−


−白竜のセリフ−


薄汚い街。日が当たる高層エリアには権力者が住み、薄暗い最下層には、底辺の搾取され尽くした者たちが住む。


いつの世も、なぜかそこだけは変わらない、クソみたいな事実。



この街には肉を持つものが住む。

普通の一般市民、中流層は月や星の集積回路都市ソリッドワールドの電子世界に住み、飽きるまでの生を謳歌おうかする。


ここ、最下層に留まる者は、肉しか持てぬ者。


そのたいしたことのない対価すら払えずにいるのは落伍者か、

天に上がる資格を剥奪された者くらいだ。


あとは高層に君臨する、街の支配者ドミネーターたちと訪問者ビジター


肉の快楽を味わい続けるものと、肉を味わうために一時的に訪れたもの。

そういう狂人が住む街だ。



解説2です。


「白竜くんのセリフだよね?猫又ちゃん」


「汚い言葉使ってるよね…。

「みなはら、

あたしの息子に、汚い言葉、使わせんなっつうの!!(怒)」


「まあまあ、猫又ちゃん。演出だからさ(汗)」


「あ゛?」


「猫又ちゃん?

(怖いって)」



「まあ、前半の解説で既に語りました内容ですから、細かいことは省きます(乾笑)」



「それで、

1話の文章わ、とりあえず、これで終わりですが、

プロットでは、この後に、にゃん丸くんを拾うんです。

「途中にあやかしや、情報屋とかいくつかエピソードを入れるつもりだったみたいですけど」


「エタった(笑)」


「…(ため息)」


「作者わ特権階級の一部、あるいはひとりを、白竜くんが糾弾して追い落とすシーンをお話の最後で書きたかったようですが…、」


「あいつらは、不老長寿メトセラ化、あるいは不老半不死デミゴッド化してるから、

倒すのは無理」


「精神をダウンロードして電脳世界に逃げられたら、絶対に捕らえられない。

どうせ、当たり前に非合法な電脳コピー作ってるだろうし(笑)」


「一匹倒しても、バックアップが出てくるだけだよ。

「リスクを払っても、せいぜいがあいつらの数日分の記憶を失わせられるだけ(苦笑)

目ぇつけられるだけ損だって(笑)」



「はぁ〜、そうなんだ(汗)

きょんくんの世界、つくづくとんでもないんだねーっ。

「人間の方が魑魅魍魎ちみもうりょうみたいじゃない!!」


「うん、一般のあやかしじゃ、歯が立たない。

「代行者クラスの亜神デミゴッドか、シフレ氏みたいな神でないと、ダメだね(笑)」


「あたしや稲荷ちゃんも一応代行者だから、あいつらの1、2匹くらいはけっこう倒せるけど、

きょんちゃんは無理かな」


「白竜、あいつは特に弱いから、

本人の力だけじゃ、きょんちゃん以下だし。

「シフレ氏の加護が無けりゃ、あたしの後継なんて、とてもとても(笑)」


「そっか。

「…猫又ちゃん、聞いてもいーかな?

竜神のサイファさま、なんでシフレ氏なの?」


「あー、長くなるけど、いい?」


「あいつ、シフレ氏は、

みなはらのキャラの中では、いっとう古くて、あたしたちの前の代の小説キャラ。

「今、『ろーぷれ日記』で(みなはらが)書いてる最中のTRPGキャラで、逃げ出した大魔法使い、『半月ハーフムーン』。あの女より古いね」


「シフレ氏、あいつはね、

今のお話、『らのべ日記』で、名前をちょっともじっているけど、

本質は変わってない」


「基本的なキャラ形態は、

佐藤史生さとうしお先生の作品、『レギオン』のオマージュキャラだね。

「原型はあのお話の天使、『明星ルシフェルのレギオン』」


「それに、

成田美名子なりたみなこ先生の作品、『サイファ』のキャラ名だけ拝借したのがシフレ氏の一番古い形態。

「『サイファ』にしたのは、名前の由来がスラングの『クソッタレ』ってのが気に入ったから、らしいよ(笑)」


「当時みなはらが書いてた中断したお話では、『黄金竜のサイファ』って名乗り、彼自身から奪われた力を封じた剣のうちの一振り、黒に染まる水晶剣『レギオン』を持っていたんだ」


「レギオンは、みなはらが中学、高校で遊んでいたTRPGシステム、『ローズtoロード(王の道)』あれで初めて創った魔法の剣、その一振りだったって話。

「シフレ氏はその使い手として、あとから生まれたんだね」


「余談だけど、魔法使い『半月』は、みなはらが高校卒業後に上京してから始めたTRPGシステム、『D&D(迷宮と竜)』今でいうところのクラシック。あれのキャラだよ。

だから、シフレ氏のがやはり古い(笑)

「彼も当初はTRPGのキャラからのスタートだけど、今は全く別個の存在だね(笑)」


「で、話をもどすけど、

みなはらは、初めのシフレ氏を創造して、

その後に、映画『エンゼルハート』の原作小説『エンゼルハート(原題:堕ちる天使)』に出会ってね、そちらにも出てきた同じ名前なんだよ。

「その意味が気に入ってね、

いまはサイファの名前に、その要素が多く盛り込まれてる(笑)」


「今は、二重の意味で、『ルシフェルのレギオン』だね(苦笑)」


「どんなの?」


「えーと、

(エンゼルハートの)物語は、主人公の私立探偵エンゼルに、依頼人がある人物の調査を依頼するお話。

「これね、パラダイムシフトを起こす類の物語で、

『まどマギ』の、魔法少女は何になる?みたいな、足元が崩れる、カタストロフィ的要素のあるお話なんだね。

ストーリーはそれぞれに探して見てね(笑)」


「両方見たみなはらは、

映画の『エンゼルハート』より原作が究極だって言ってるけど、シフレ氏の名前は映画から取っているんだ(笑)

「小説は『シフレ』って書かないと字面で判るからね。

翻訳者がそう選択したみたい(苦笑)」


「で、どんなかって言うと、

「ネタばれなんで、

少し待ちます」


「…」

「…」

「…」

「…」


「では解答。

『エンゼルハート』の原作、堕ちる天使では、依頼者は『ルイ・シフレ』氏。

映画の『エンゼルハート』では、『ルイ・サイファー』。発音が違う」


「『ルイ・サイファー』を、原文、英語読みで、つなげて読むと、」

(Louis・Cipher → Lucifer)


「……!?

悪魔じゃない!!」


「正解!!(笑)

「しお先生のレギオンで、『明星』って書いただけで堕天が決まった様なものなのに、

エンゼルハートの原作で、『堕ちる天使』ときたもんだ(苦笑)」


「『レギオンのサイファ』はね、正真正銘『神々の敵』だよ(笑)

みなはらのキャラでは、二重の意味で堕天使を示す悪魔。

『黙示録のドラゴン』

それがあいつの正体さ」


「みなはらの、このお話、『ろーぷれ日記』のイメージでは赤くなくて、

黄金の竜。頭には7つの角を王冠みたいにはやしている。

「7つの角は、『レギオンのサイファ』が率いた竜の軍団。青き銀河の竜族、眷属の中では最大数。

(みなはらのお話で)あの一族は角の本数で力の強さが決まる」


「そして神々から、

一族、眷属、全て根絶やしにされて幽閉されていたサイファを、

ろーぷれ日記の主人公が自らの理由で引っ張り出した」


「サイファの7つの角を全て取り去り、

その7つの角で竜神をこの世界(地球)へと縫い止め、この世界の神とする。

「ろーぷれ日記の世界で、あいつがやろうとして、あたしが手を貸したのは、この仕事なんだよ」


「シフレ氏を縫い止めている竜の角。今どこにあると思う?」


「7つの『軌道エレベーター』。

豆の木ビーンストーク』なんて言わず、『竜の角ルシフェルズホーン』って言やぁいいのにね(嘲笑)」


「あの魑魅魍魎どもは、どんなつもりで、

悪魔の角の元で踊ってるんだか(暗笑)」


「あたしは楽しみなんだよ。

あいつらの毒が悪魔の角に染み渡り、

それを取り戻した竜神が、地球という卵を割って孵(かえ)るとき、

果たして、卵から生まれ出てくるのは、神の竜か、悪魔の竜か、そのどっちかって事をね(嘲笑)

「あたしはね、神の竜にはベットしないよ。損したくない(笑)」


「…猫又ちゃん。

あなた、とっても嬉しそうよ。」


「えっ!?

やだぁ!!

ほんとに?」



「さて、次は2話からのお話の文章です(笑)」



 −テキスト3−


タイトル 『半猫の白竜』 −ジャカランダの花−


メモ、ジャカランダ

和名、紫雲木(しうんぼく)

開花時期、南半球10、11月、北半球6月


ジャカランダの花言葉:名誉、栄光

さくらの花言葉:精神美、純潔



解説3です。


「作者が白竜くんの2話を書こうと思ったのは、

『神谷ネコ丸』さんの企画投稿での、

期限ありで、春にまつわるものというお題で、

そちらに投稿しようとして準備していたからでした」


「1話がエタってるのに、2話って笑える(笑)」


「猫又ちゃん(怒)

確か、あの時にわ、エタってなかったわよ。

「1話書きかけで、期限のある企画用の2話を先に進めた。じゃなかったかしら?」


「うん、そーだよ(笑)

あたしの演出」


「…」


「タイトルのジャカランダは花の名前だよ(笑)

南米原産で、アフリカにもある花」


「みなはらは、バビロンのジャック(ビーン・ストーク)をアフリカ大陸の赤道上って決めてたから、

「あそこで花見をさせる為に、桜の花でなく、ジャカランダの花に目を付けたんだよね」


「花の散る様が、桜に似てるから。

色は藤色だけどね(笑)」


「お題、春にまつわるもの。

花見をやろうとして、日本の桜じゃなくて、

アフリカで、ジャカランダの花見をしようと考えたりするとこが、ひねくれ者のみなはららしいよね(笑)」


「…猫又ちゃん…」




後半2へ続く

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