第5話 こんとにゃあ -おやつをつくろう-

-まえがき-

このおはなしは、

自分の子供のために、猫又が書いた『絵本』のお話です。


注. 絵はありません。


このおはなしは、拙作のキャラ、猫又と稲荷狐を使った、お遊びでした。

これのストーリーのどたばたが元になり、前話のほっとけえきのお話へとなりました。


配役は、

猫又、 にゃあちゃん

狐、  こんちゃん

ということになります。


あくまでも、普段の狐と猫又がしている掛け合い、じゃれあいを意識して、猫又自身が書いた創作としての物語、童話のようなもので、

二人が実際に料理を作ったときのどたばた、リアルタイムの料理ドキュメントではないのです。

猫又はめんどくさがりですが、家事は普通にこなせますし、かなり子煩悩です。

(子供のために、料理絵本を手作りするくらいにはマメで、子供好きですね)





−もくじ−


じゅんび


ぷりんをつくる


かすたーどをつくる


ほっとけーきをやく


さいだーをつくる


あとかたづけ


−はじまり−


おりょうりのせんせいは、こんちゃんで、

せいとは、にゃあちゃんです。


みんなは、せんせいの、おかあさんといっしょに、つくってね。



−じゅんびをしよう−


まずは、ざいりょうのじゅんびです。



「にゃあちゃん、

ざいりょう、かってあるの?」


「もちろんっ。

たまごと、ぎゅうにゅうと、こむぎこと、さとう、ばたー、おす、べーきんぐぱうだーに、ほしぶどう。」


「ほしぶどう?」


「れーずんぱん、たべたくなったから。」にっこり。


「ぱんつくるなら、ふらいぱんでもできるけど、

いーすときんあるの?」


「なに?いーすと?ひがしにあるの?」


「…ぱんはやめよう。」

「ほしぶどうからも、こうぼきんはつくれるけど、

すぐにはできないからね。」こんちゃんはにがわらい。


「れーずんくっきぃか、

「れーずんけーきか、

「れーずんいりの、ほっとけーきかな?」


「ん、おす?」

「すは、なんにつかうの?」


「けーき、すっぱいのあるでしょ?

あれがたべたかったの。」にっこりと、にゃあちゃん。


「ちーずけーきかな?

ちーずは?」


「ないよ。」

「ばたー、つかえないの?」


「ばたぁもつかうけどっ、ちーずもいるのよっ。」


「…ちーずけーきはやめよう。」


「れーずんいりのほっとけーきかな?」

「そういえば、こむぎこって、ほっとけーき、みっくすだよね?」


「ちがうよ。こむぎこ。」


「どのこむぎこ?」


「だからっ、こむぎこだよっ。」

おこりだす、にゃあちゃん。


「みせてっ。…はくりきこかぁ、よかった。」


「きょうりきこだったら、どうしようかとおもった。」こんちゃんのほっとしたえがお。


「はくりきこ?

こむぎこだよね?」


「だからっ、こむぎこのしゅるいっ。」


「きょうりきこは、ぱんとか、うどんとか、ぴざとか。」


「はくりきこは、くっきぃ、けーき、ほっとけーきなんかにつかうの。」


「へー、めんどうなんだね。」


「べーきんぐぱうだぁは?」


「これ、べーきんぐぱうだー。」


「ちがうっ。これはじゅうそうっ。」

こんちゃんは、おこりだした。


「おみせのひとが、つかえるっていってたよ?」


「つかえるけどっ、

ちがうのっ。」


「あとはこれ、

なに?かたくりこ?」


「たのんでないよ?」


「さわったら、きもちよかったの。」

「びーずくっしょんみたいっ。」えがお。



「…にゃあちゃん、

…まず、ぷりんつくろうか。」

「いちばんかんたんな、ちゃわんむしぷりん。」


「それから、れーずんいりのほっとけーきと、

かすたーどくりぃむ、つくって、

さいだー、つくろう。」


「そんなにできるのっ?」


「ほんものににてる、なんちゃってなおやつだけどね。」にがわらいのこんちゃん。



−ぷりんをつくろう−


「まずね、たまごにさとうをたして、かきまわすんだよ。」

「ほんとはきみだけでつくると、もっとおいしいんだけど、

しろみをつかわないのは、もったいないからね。」にっこり。


「それと、からざはとってね。」

「したざわりが、わるくなるから。」


「どれ?」


「このぶにょっとしたのよ。」


「なんか、かたまりかけの、はなみずみたい。」


「こらっ。そういうこと、いわないのっ。」


「それから、ぎゅうにゅうをたすんだよ。」

「かきまわしながら、すこしずつ。」


「で、まんべんなくまざったら、

うつわにいれて、でんしれんじにかけるの。」


「うつわは、まぐかっぷでいいよね。」


「でね、ひくいでんあつで、10びょうくらいづつ、でんしれんじにかけて、

とりだして、ゆっくりかきまわすの。」


「いつまで?」


「すこし、かたまってきたかなぁってくらいまでね。」にっこり。


「あとは、でんしれんじで、ようすをみながらあたためて、かためるの。」

「…こんなかんじよ。」

「あとは、れいぞうこでひやして、できあがり。」


「ぎゅうにゅうのかわりに、おだしをつかえばちゃわんむしに。」

「おさけをつかえば、たまござけふうぷりんになるよ。」

「かぜのときにはいいわよ。」えがお。



−かすたーどをつくろう−


「ほっとけーきのまえに、さきに、かすたーどくりぃむをつくろう。」

「ほんとはね、かすたーどくりぃむは、こむぎこでつくるんだよ。」


「こんかいは、にゃあちゃんが、まちがってかってきた、かたくりこをつかうよ。」


「こんかいのつくりかたは、

ようはね、くずゆをつくるときと、おんなじなの。」


「かたくりこにさとうをたして、よくかきまぜて、そしてねっとうでとくの。」


「おゆは、すくなめにしてね。

のむんじゃなくて、つけるくりぃむを、つくるからね。」


「そして、でんしれんじにすこしずつかける。」


「また、れんじだね。」えがお。


「うん、でんしれんじって、べんりだから。」にっこり。


「いちどにたくさん、れんじにかけると、

いきおいよく、ふきだしたりするから、きをつけてね。」


「すこしずつだよ。」

「また、10びょうくらいだよ。」

「そしてかきまわして、

のりみたいに、ねばりがでたら、とりだして、

てばやく、たまごのきみだけいれる。」


「まってっ。どうやって?」


「かんたんよ。たまごのからを、わるでしょ。」


「からを、まんなかから、ふたつにわって、

しろみだけ、したのぼうるにおちるように、

からを、かたむけてまわしながら、

こうすれば、きみだけからにのこるのよ。」えがおのこんちゃん。


「えーっ。まほうみたいっ。」


「だれでも、できるよ。」にっこり。

「にゃあちゃん、やってみる?」


「…。こんどにする。」むっつり。


「それでね、まぐかっぷひとつのかたくりに、きみはふたつかな?」


「いれて、てばやくかきまぜると、かすたーどににてるくりぃむのできあがり。」


「これも、れいぞうこでひやそうね。」えがお。

「ぼうるのしろみは、ほっとけーきにつかうよ。」



−ほっとけーきをやこう−


「まずね、こむぎこ、はくりきこと、さとう、じゅうそうをまぜるの。」

「これがたいへん。」

「きれいにまぜるのに、じかんがかかるのよ。」


「だから、ほっとけーき、みっくすがやりやすいのよ。」

「こむぎこに、さとうも、べーきんぐぱうだぁもはいっているから。」えがお。


「まって、

ほっとけーき、みっくすがあれば、

べーきんぐぱうだーはいらないんじゃ?」


「…ごめん、まちがえてた。」

「べーきんぐぱうだぁ、いらないね。」にがわらい。


「で、

こむぎこが、きれいにまざったら、

たまごと、さっきのしろみ、ぎゅうにゅうをいれて、かきまぜるの。」


「きをつけるのは、あんまり、かきまぜすぎないこと。」

「かきまぜるのがおおいと、ほっとけーきがふくらまないの。」


「さっくりとかきまぜるんだよ。」えがお。

「さいごに、ほしぶどうをいれて、かるくかきまぜて、できあがり。」にっこり。


「そして、ふらいぱんをあたためる。」

「それから、ぬらしたふきんを、よういしておくの。」


「なんで?」


「ふらいぱんの、おんどをさげるのよ。」えがお。


「えっ?、ふらいぱん、あたためてるのに?」


「おんどがたかいと、きじがふくらみきるまえに、かたまってしまうの。」


「だから、ぬらしたふきんで、ふらいぱんのうらをひやすのよ。」にっこり。


「でも、まずは、ばたぁをとかすよ。」


「ばたぁひとかけを、あたためたふらいぱんにいれて、

かたむけてまわしながら、

ばたぁを、ふらいぱんに、まんべんなくいきわたらせるの。」


「そして、ふらいぱんのおんどをさげてから、

さっきつくった、ほっとけーきのきじをいれて、

うん、それくらい。」


「ふらいぱんを、かたむけてまわしながら、きじをひろげて、

ほしぶどうを、すこしのせる。」


「あとは、きじがふくらむまで、じっとまつ。」


「…こんちゃん、きじのうえから、ぽこぽこ、あわがでてるけど?」


「だいじょうぶ。

べーきんぐぱうだぁが、あわをだしてるのよ。」

「ほら、きじのあつみが、みて。」


「ああっ、あつくなってるっ。」


「もっと、あつくなるわよ。」

「ふらいぱんのおんどをさげないと、こんなにあつくならないの。」

「きっと、ほっとけーきのきじは、すぽんじみたいに、ふかふかよ。」にっこり。


「そろそろ、いいかな?」

「ふらいぱんをもちあげて、ぜんご、さゆうに、こきざみにゆすって、

ほっとけーきが、ふらいぱんとはなれたら、

ほっとけーきを、ぜんごにすべらせながら、

てくびをきかせて、おしだしながら、ほっとけーきをちょっともちあげるとね。」えがお。


「ひっくりかえったーっ。」びっくり。

「こんちゃん、まほうみたいっ。」えがお。


「なれれば、にゃあちゃんも、すぐにできるよ。」えがお。



−さいだーをつくろう−


「あとはさいだーだね。」にっこり。


「さいだーはかんたん。」

「おすとじゅうそうでできるよ。」

「ただし、ちょっとしゅわしゅわするだけ。」


「おすとじゅうそうをふやすと、たんさんはつよくなるけど、

じゅうそうのにがみと、たんさんができるときの、しょっぱさがつよくなるから、

おいしくなくなるの。」

「たんさん、のんでみる?」


「うんっ。」


「…どう?」


「…まずくて、…にがしょっぱい。」にゃあちゃんのしかめっつら。


「れいぞうこに、みかんのじゅーすがあったから、

これにさとうをたして、あまくしてから、

たんさんをいれてできあがり。」


「…どう?にゃあちゃん?」


「うんっ。これならのめる。」

「みかんのちょっとにがが、あじについてるみたい。」

「あと、ほんとにすこしだけ、しゅわしゅわ。」

にゃあちゃん、にっこり。


「よかった♪」

こんちゃんも、にっこり。



−あとかたづけをしよう−


「あとは、あとかたづけね。」


「ふつうのよごれはしょっきせんざいと、

しょっきあらいのすぽんじでこすればいいけど。」


「あぶらでよごれた、どうぐやふらいぱんは、

しょっきあらいのすぽんじに、じゅうそうと、しょっきあらいせんざいつけて、みがきあらうの。」


「じゅうそうつかうと、

くれんざぁ、みがきこみたいに、あぶらよごれを、こそぎおとすんだよ。」


「へー。」


「そしてさいごに、おすをちょっとかけると、

あわだって、よごれをうかせるんだよっ。」


「あわ、いっぱいっ。」えがお。

「おもしろいっ。」


「さっきつくった、さいだーとおなじだね。」えがおのこんちゃん。


「フライパンやぼうる、おさらなどをあらったら、

ふきんでふいて、しょっきだなにもどすのよ。」


「うんっ。」



「じゃあ、にゃあちゃん。」


「できあがったおやつをもって、はいきんぐにいこうっ。」


「うんっ。たのしみだね、こんちゃんっ。」にゃあちゃんのえがお。



こうしてふたりは、おやつをもって、たのしいはいきんぐへ、でかけてゆきました。


ばすけっとに、たくさんのおやつをいれて、てをつないでいるふたりは、とてもたのしそうでした。



−おわり−



  −◇−


「猫又ちゃん、

なんでこれ書いたの?」



「稲荷ちゃん(苦笑)、

こんなの書いたの?じゃなくて(笑)」


「あのね(笑)

稲荷ちゃん、子どもにあたしが作った絵本を読んでやりたくって(微笑)」

「それでね(笑)

その絵本見ながら、

子どもといっしょに料理したかったの♪」



「…猫又ちゃん。

子どもなら、今までだって作ったよね?」


「うーん、猫又の子どもは子猫だから…。

本読んだり、いっしょに料理したりできないんだよね(苦笑)」


「そっかぁ…。

って猫又ちゃん!?

かずまくんと子ども作ったのって、…まさか、それ…?」


「…ははは。…いやぁ(笑)」


「いやぁじゃないっ!!

ほんとに〜!?」



閑話休題(汗)




-あとがきのようなもの-


最後の掛け合いは完全にギャグです(苦笑)


大まかなイメージですが、子供たちが生まれたとき、

彼女の子、男の子の力が、生存が困難なほど弱かったことを解決するために、

猫又は竜神と独自に契約を結び、加護と名付け親としての権利を得たのは彼女、猫又の努力の賜物です。

白竜ぱいろんは、あやかしとしてはそれくらい未熟な存在でしたという設定ですね。


きつねのきょんに出てくる白竜は、かなりの苦労人です。

(彼を主役とするお話はポシャリましたので、いまはきょんのサブキャラですけどね)

良くもわるくも、猫又の息子の白竜が、苦しんでいる力なきものへの肩入れをしたがるのは、自らの生い立ちや、母である猫又の背中を見ていた結果なのでしょうね(微笑)

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