第2話 「田舎の」駐在所 ②

星滝村

人口は110人のかなり小さい村である。

電気ガスは整備されてはいるが、未だにプロパンガスの所や釜戸の所がある。

小学校と中学校はあるが、各学年10名程しかいない。

電車とバスは1時間に1本か2本、しかも時間通りでない。

コンビニあるけど夜9時には閉まる。

改めてとんでもないところに来てしまったな。


「神野くん、とりあえず荷物は運び終わったし、買っておいた食料とかも冷蔵庫とかに入れといたから」

「すんません、ありがとうございます」

「いいよこれくらい、ところで勤務についてやけどなにか質問ある?」

「いいえ!特にありません!」

「まぁ、普通の制服のお巡りさんの仕事と変わらへんし、変わるとしてもいつでもなんでも頼られるくらいやな」

「…とゆうと?」

「夜中に村民の方が尋ねに来たり、本来であれば警察業務以外のことをやることになったりするかもな〜退職された前任の方は色々と手伝ってたみたいやで?」

「…頑張ります」

「そやな!頑張ってな!そしたら俺本署戻るから、なんかあったらいつでも相談してな〜」

「送り届けありがとうございました!」

手を振りながら係長の車が遠ざかっていくのを見届け部屋に入る。

…部屋の中が寂しくなったなぁ


駐在所は街中にある交番の裏手にアパートの一室を合体させたような建物であり、署によって造りも様々である。

少なくともここの交番は市内で住んでいたアパートとほとんど変わらないので助かった。

定年退職された前任の方がしっかりと掃除等をしてくれていたおかげで、昼を少しすぎた頃には片付けも終わった。


その後、制服に着替え村長や関係各所に挨拶し、現在の村の状況を聞いたりしているうちにすっかり夜になった。少なくとも凶悪な犯罪が発生しているわけでもなく、本当に平和な村であると改めて知った。

楽な勤務になるなと思いつつ、夜も更けていくのであった。









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