第12話 「実はわたし、『宇宙人』なんです」
明治大学日本拳法部の研究 その3 豊富な人材
2018年 第63回全日本学生拳法選手権大会。
その開会式、この女性を観客席から(双眼鏡で)見た時、私はこの「人」を連想しました。
「実はわたし、『宇宙人』なんです」
(https://dic.pixiv.net/a/%E6%94%AF%E5%80%89%E6%9C%AA%E8%B5%B7%E9%9A%86)
『ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない』 ジャンプ・コミックス 第40巻 ジャンケン小僧がやって来る!の巻 「ぼくは宇宙人 その1・2」
「登校途中の東方仗助と虹村億泰が発見したミステリーサークルの中心部で倒れていた謎の少年。通称:ミキタカ。 自称『マゼラン星雲からやって来た宇宙人で、本名はヌ・ミキタカゾ・ンシ、年齢は216歳、職業は宇宙船のパイロット』とのこと。
趣味は動物を飼うこと。学生鞄の中でハツカネズミを飼っている。更にその学生鞄からビニール袋に入ったアイスクリームを取り出していた。 宇宙船に置いてきたので所持していないが光線銃も使えるらしい。
掴み所のない性格をしており、度の過ぎた天然というか。
しかし言動は礼儀正しく紳士的でとても温厚。とりあえず悪い人ではない ・・・ 。」
剣道をやっていた人は、斬るとか振り下ろす練習ばかりやっているので、日本拳法の突きに馴染めないのか。
日本拳法の突きや蹴りとは、剣道で言えば「突き」です。
円弧を描いて斬るのではなく、一直線に突く。
ボクシングのフックではなく、完全なストレート。
「内側からえぐり出すようにして突く」と、私たちは教わりました。
完全なる直進は「ワープ」と同じで、最短時間で敵の顔面に到達するからです。
アナログ時間のなかでこの面突きの一瞬だけ、完全なデジタルを目指す。
これが大学日本拳法の醍醐味です。
私は今大会、一度だけこの女性の試合を断片的に見ましたが、「キェーイ」だか「トーゥ」なんていうような、ながーい気合いで面突きを打ってました。しかし、あれではいいパンチにはならない。当たっても一本にはならない。と言うよりも、審判が手を上げにくい声なのです。
日本拳法の気合い(の声)は「エイッ」です。
私たちは、上野公園へランニングに行った時には、筋トレ・突き蹴りが終わると、1・2年生だけが、当時あった大きな池の端から100メートルほど離れた幹部たちの居る場所へ向かって、「オス、エイッ・ヤーッ !」と、一人ずつ声が嗄れるまで何十回も大きな声で気合い練習をさせられた。
これは非常に恥ずかしいのですが、この「エイッ」という、いかにも日本人的な声(の出し方)とは、恥ずかしいとか照れくさいなんていう俗っぽい感覚を捨てさせてくれる。
また、この気合いが一番日本拳法に向いている。
打つ時に、拳のノリが非常にいいんです。
私は3年生の頃、「セイッ」とか「トーッ」なんて気合いに変えてみましたが、パンチや蹴りにスピードが乗らない、切れがなくなる。
突きや蹴りというのは、声に引っ張られるということもある。単に筋力とか打ち方といった技術的な要素ばかりではないのです。
この女性は、気合い(の声)を変え、(剣で)斬る → (拳で)突くという行為に変えると、拳法の質が変わってくると思います。
今どき珍しい、古風な言葉使い
「トレーニングルームで練習した後は足の裏が赤くなる」
https://ameblo.jp/meiji-kempo/entry-12422234594.html
剣道をやられていた時には、古武士の風格だったのでしょう。
もし、この方が男に生まれていたら、(中国で)茫洋とした西郷隆盛のような人を指す、
司馬遼太郎「坂の上の雲」の主人公秋山好古は、中国人からそう呼ばれていたそうです。
明治は良いめっけものをしたようです。
ただ、日本拳法をやれるのがあと一年しかないというのは、残念ですが。
https://ameblo.jp/meiji-kempo/entry-12423480869.html
未来日記
水木しげるの「ニッポン幸福哀歌」の中、「雨女」という話みたいです。
こういう未来になるように、頑張ってほしいものです。
2018年12月20日
平栗雅人
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