灰色の青春

 暗鬱とした曇り空。

 気温の低い外。

 凍てつく風が吹き付ける。


 私はおもむろにベランダに出て、手すりに触れた。


 不意に高校の入学式の光景が、頭をよぎる。

 希望に満ちあふれていた。

 中学校の卒業式を終え、新たな一歩を踏み出せる。

 高校とは楽しくて充実的な日常を送れると信じていた。

 なにも怖くなかった。


 だけど実際はただの牢獄。

 勉強をするためだけに用意された、白い箱。

 それが私にとっての高校生活だった。


 勉強をすること以外にすることがない。

 友達もできず、部活もせず。

 全体に閉塞感が漂っていた。

 そんなところ、楽しくもなんともない。


 私は思う。

 期待なんてするものじゃない。

 希望を抱いたところで裏切られるだけだ。

 なによりも自分自身がそう、実感してしまった。

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