メシマズ

 午後八時。

 食卓に並ぶ、晩ごはん。


 いちごジャムのかかった白米に、カチカチのステーキ。

 ケチャップのかかったヨーグルト。


 またこれかと、心の中でつぶやいた。


「好き嫌いしないの」


 母はそう言う。

 違うのだと、僕は言う。


 味については美味いか不味いかの二種類のみ。

 好きも嫌いもありはしない。


 それを分かってほしいのだ。

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