さらにさらに燃えよストラト

 俺は赤いステージライト1ダースと愛用のマイアンプ、そして真っ赤なストラトをライブハウスに持ち込んでライブにのぞんだ。照明を落としたステージで弾く俺のリフに続くドラムのクラッシュと同時に赤いライトが一斉いっせいに点灯すると、オーディエンスは総立ちになった。前の曲にかぶせて曲が変わるたびにスタンディングオベーションの連続だった。俺たちのバンドのライブでこんなに盛り上がったことは初めてだ。やはり赤い照明は俺のプレイも、オーディエンスのハートも燃え上がらせるのだ。


 セット・リストの最後まで演奏してもスタンディングオベーションは終わらなかった。そしてアンコールの曲も終わって俺は真っ赤なストラトを抱えてジャンプし、うっかりモニタースピーカーにつまづいて客席に落ちた。


俺は赤っ恥をかいた。


お後がよろしいようで


「燃えよストラトシリーズ」完結

 のはず。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

燃えよストラト 十影 蔵人 @tokagekrand

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ