第65話 (第2章)「事件」(七月一日)
その日以降、豆初乃は精力的にお座敷を務めた。祇園祭の行事も詰まっているので、張り切って務めた。
「豆初乃ちゃん、大丈夫なんか」
と紅乃やお母さんに心配された。
「いつ来るか、いつ来るか、ってびびって小さくなっていたくないんです。自分の気持ちに負けたくないんです」
豆初乃は答えた。自分で飛び込んでいく覚悟ができたら、力がみなぎるような気がした。
ただし、豆初乃は再び一人で外出することは禁じられたので、ジョギングには行けなかったし、忙しくしているせいで文蔵から借りた本を読む時間はなかった。文蔵の貸してくれた「雪国」は、机の上に置かれたままだった。
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