第4話 ダンジョン攻略班

当然ダンジョンに潜るには先客がいる

町の中にあるギルドでも何回層に潜ったと自慢げに話す輩が酒場を賑わす。

しかし、勇者は酒場で情報収集をするだけで

酒を飲まずに仲間たちと料理を食べ情報屋から金で情報を買ってダンジョンに潜る。


「ねぇアギスさま絶対さっきの情報屋ガセだと思うだけど?」


勇者アギス一行は国王に呼ばれる前日の夜酒場で情報収集をしていた。

エイミーが言うにはダンジョン攻略班が昨日から帰って来ず情報屋もさほどの情報は持ってなかったが一部のモンスターから金やら宝石が手に入るらしいとのことだった。


ダンジョンにいるモンスターは偽装モンスターで人間が混ざってる魔王が作ったダンジョンは人間が入るとモンスターに見えてモンスターが入ると人間に見える特殊なダンジョンなのだ。


攫ってきた人々は教会に通わせワイトの信仰心を上げる格好の餌となる。


それを見ていた魔王はワイトに自分の加護を掛けた杖をワイトに与え勇者一行に呪いの加護を授けよとの事だった。


あえて、勇者アギスには弱体化の呪いの加護を与え他のメンバーには、あらかじめ強化作用が働くようになっている。


弱体化と言っても身体的弱体化であり魔法は強化される。


夜中になりダンジョン攻略班は1人だけぼろぼろになって帰って来た。

「無理だ!他メンバーは全員やられた」


大柄の男はそう言って床に座り込む、いったい何があったのかひと言だけ喋って黙り込む


勇者アギスは大柄の男に話し掛ける。


「何があった?話してくれないか!」


「ダンジョンは最下層にはたどり着けないマップを使っても入るたびに変わりマップは使えない、階段を下ったと思えば振り向くと降った階段は消える。」


(ではどうやって帰って来たのだこの男?)

勇者アギスは考察するが分からない。

大柄の男はよほど恐ろしかったのか頭を抱えて塞ぎこむ


魔王の自作自演のこの町は全て魔王の配下であり200年かけて作り上げた、ほとんどの人は魔王の配下なのだ。


勇者一行を除いては、冥王様の指示によりモンスターの増員が命じられ魔王は1度失敗に終わっている、その為魔王は称号を中ボスと降格され200年かけて作り上げた王国なのだ。


(ふっふっふ見ているぞ勇者、そやつは俺が町の外に転送した冒険者だ中身はゴブリンだがな)

元人間をゴブリンに変化させて勢力を拡大させているこの国に住むものはゴブリンやコボルト、オークがほとんど占めている。


町娘を攫って来て勇者に仕立て上げダンジョンで始末する、言わばテーブルゲームをやらされている。


やっと念願のワイト候補が見つかり魔王は一喜一憂していた

「冥王様にやっと報告ができる200年かかったワイト候補を見つけ出すのに・・・」


ダンジョンの中で水晶を見ながら元魔王は最下層の玉座に座り独り言を呟いた。


城内では国王(オーク)が落ち着きがなく頭を悩ませていた。


「勇者をどうすれば殺さなくて済むか、アヤツはワシのお気入りどうすれば良いのか」


勇者アギスは修練を積んでも芽が出ず力も弱く使いものにならない。

しかし耐える事は長く続いてもしやと思いオークは元魔王から授かった盾を用意する


「この盾を与えれば護れるかも知れない」


オークは一縷の思いで勇者アギスに授ける事を決意する。

ダンジョンの中下層まではさくさくと進めた

何故ならば戻ってきたダンジョン攻略班が渡してくれた魔法のマップ道理に進め赤い点が

中下層の入口まで案内してくれた。


勇者一行は1度ここで傷ついた身体を癒すために扉の前で回復を済ませておく事にする。


「勇者さま何だか様子が変ですよ?顔色が悪いようですが大丈夫ですか。」


アグノラは勇者アギスを心配して声を掛ける


「いや、問題ない!先を急ごう攻略班達はここで引き返したらしいからな相当強いモンスターがいるに違いない。アグノラ身体強化魔法を頼む」

(回復薬も残り半分まだ先は長いな騙された事は黙っておこう)

勇者アギスは段々と行動が荒っぽくなる、

勇者アギスは段々と行動が荒っぽくなる、

自分に嘘をついてしまっていること、メンバーに申し訳ない気持ちが抑えることが出来ないでいた。

「今日の勇者さま絶好調じゃん効果がやっぱりあったみたいだね!あの大神官」

(おかしいな?攻撃力は落ちているはず、なのに凄い威力を感じる)

勇者アギスは自分では気付かない無意識の中で剣に魔法を掛けながら戦闘をしていた。


「そうですね!エイミー大神官さまの加護があって本当に助かりました。彼の者に」


当然ダンジョンという事は他の冒険者にも出逢う筈なのだが1度も会う事がなく難なく中下層の赤い点まで来れた。


そう、殺してきた中には冒険者も中に含まれており殺された冒険者はモンスター化しリポップされる。


「ここから、中下層のBOSSだ皆頑張ってくれ頼りにしている。」

(こんなんじゃダメなのに罵って殺さなければならないのに本当にダメだ)


(ちっアイギスのやつ殺す気あるのかね?)

エイミーは勇者アギスをしっかりと記録水晶で勇者アギスを記録する。


扉を開けるとオークがふんぞり返って玉座に座っている。


どうやらオークに忠誠を誓った者はオークになるらしい国王とは違いがっちりした体型ではなくオークにしては細身のオークのようだ


(オークめ!これが打開策だと言うのか?ガリガリの眷属を連れて来ても役に立たないぞ)

エイミーは片手で記録水晶を持ち杖を構えて戦闘態勢をとる。


「グッへへへへへェェェェ美味そうな人間が来たな!最近獲物が少なくて腹が減ってたんだよ、お前らを食わせろ」


「何だあの魔物は喋るのか?喋るとなると高位の魔物だ油断は出来ないぞ」


アギスはパーティに注意をうながす。


「何だあの魔物は喋るのか?喋るとなると高位の魔物油断は出来ないぞアグノラ、エイミー油断するなよ!」


アギスは前とは違い、判断力や技のキレが増しており頼りになる存在となっている。


(どう足掻こうが魔王様にアグノラは殺される運命お手並み拝見と行こうかしら)


ガリガリのオークは皮のできた装備を整えており、皮の鎧、皮のブーツ、皮の脚あて、皮の篭手

武器は棍棒。


(は?オークの奴、いくら資金不足でも皮の装備か、これでアグノラを殺れたら、奇跡だぞ)


エイミーは苦笑いして、こっそりと能力低下ポーションを投擲する。


(全くオークの奴、変な注文しやがってアイギスを殺すなとか、何を考えているんだか!)


「アグノラ気おつけて、あのオーク素早いから、どんな攻撃が来るかわからないから。」


エイミーは火炎魔法で牽制するが素早くて当たらない。


それに見兼ねてアギスはオークから貰った盾で棍棒を防ぎ右手に持った剣で攻撃をしようとするが、素早くて当たらない。


「クソ、全然当たらない、どうすればエイミー何か敵の能力を低下させる魔法はないのか?」


アギスはよく頑張ったほうだが、雷のスキルを剣にかけるが安定しない、まだ覚えたてだから、集中力が持たない。


「ブーッフフフフ、俺のスピードについて来れないようだな、まだスピードを上げるぞブッフフ」


「そうだ!私、ランプの油があったわコレを使いましょう。」


アグノラはランプの油を床に投げ捨てオークの足止めをする。


オークは脚を滑らせ尻もちをつく、アギスはオークに剣を鼻頭で止める


「これで、形勢逆転だなオーク!誰に頼まれた言え!!」


「見るに耐えんな!」


空間が割れ、その中から角が生え赤いロングストレートの髪で青銅の装備で整え黒いマントを羽織っている、いかにも魔王と言わんばかりの格好をした男がオークの首を手刀ではね、アギスの前に立ちはだかる。




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