バー
バーで、少し酔っていた。
いつものことだ。
一人暮らしをしていると、淋しさを紛らわす方法は限られてくる。
すると、隣に男性が座った。
目をやると、男性は軽く会釈をした。
ちらりと見たその顔は、なかなかハンサムだ。
数分後、女性がバーに入ってくる。
「待った」
「ううん。じゃあ、行こうか」
立ち去る男性の腕を、女性は抱きしめていた。
私はまた飲み直す。
グラスに注がれては、飲み干していった。
そして飲むたびに、男性の顔が浮かんでは消えた。
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