怖い僕を守ってくれる彼女

とうま

第1話【プロローグ】

「あ、あの、僕と付き合ってください!」


僕は曇り空の下、街灯が並ぶ歩道橋で、彼女に、お辞儀をし、頼み込むように告白した。


「えっ!?」


長い事友として付き合って来た彼女、天然だから心底案外簡単に成功するのかななんて思って告白、思いの外、驚いてくれる。良いリアクションだな。


「ほ、ほんどにぃ?ほんどにわだぢでいいの?」


彼女はいきなり涙ぐむと大きくて潤む瞳をパチパチと見開き、少し背の高い僕を上目遣いに見つめ言っている。


「え、えぇ?」


流石にここまで可愛い反応をされると、こちらが困ってしまう。


僕は少し驚いた表情を彼女に向けている。


「じづはわだぢも、あなだのごどが、ずっどずぎでじだ!」


涙をポロポロ流しながらとても嬉しそうな笑みを浮かべて、めちゃくちゃな顔ではあったが、何故かとても眩くて美しく感じる。


「ほ、ほんとでずがっ!」


僕とした事が男としてみっともない、泣きながら喜ぶ彼女に貰い泣きしてしまった。


「は、はい、なので、宜しければ!私からも付き合ってください!」


「は、はい!」


こうして僕達は付き合う事になった。


可愛くて天然で、でもどこかしっかりしている、しかし怠惰で、甘い物好きなそんな彼女。


でもまさかそんな彼女に僕が救われる事になるとは、全く思ってもいなかった。

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