第44話 装備品レシピ
思いがけず遭遇したカーバンクルを倒したことで、予定外の素材が手に入った。
その素材のうちの一つ、カーバンクルの宝珠。
これって、カーバンクルの額にくっついてたあの赤い宝石のことだよな?
しかもこれ、以前獲得したレシピに必要素材として名前があったやつだ。
そのレシピの名は魔法の扉Ⅱ。
その扉を設置さえすれば、全ての扉の間で行き来が出来るという、どこ○もドア的なアイテムだ。
それがあればダンジョン内での移動がすごく楽になる。
現在、地下ダンジョンの建設は、作業員としてのゴーレムを追加で送り込んだことで急ピッチで進められている。
十階層という深さと広さを予定しているので、さすがにそこを歩いて移動するというのは骨が折れる。
だから、ここにきてこのアイテムが作れるようになったのは非常に嬉しい。
しかも、一匹のカーバンクルから百個の宝珠がドロップするとは思わなかった。
普通、額に付いてる一個じゃないかと思うのだが……。
カーバンクルの毛もそうだけど、デカいからたくさん取れるんだろうか?
まあ、多ければ多いほど嬉しいし、扉もたくさん作れる。
貰えるものは貰っておこう。
さて、もう一つのドロップ品は、カーバンクルの毛か……。
これはどんな素材なんだろう?
一応、
[カーバンクルの毛]
カーバンクルから取れる毛。ふわふわで柔らかい。
丈夫で保温性もある為、服飾の材料としても使われる。
微量の魔力を帯びている。
ほう、服とかに使えるのか……。
ってことは……まさか服飾系のレシピも存在するってことか?
そこで俺はハッとなった。
レベルが上がったけど、まだレシピを確認してないぞ。
もしかしたら……。
『〝装備品レシピ〟が解放されました!
素材の合成によって様々な装備が作れるようになります。尚、装備品のサイズは装着者に合わせて随時変更されます』
おおっ!
なんか来てた!
そのまま解放されたレシピの中を覗いてみる。
[装備品レシピ]
・カーバンクルの毛×2 + 青インドル草×2 = 魔法使いの服×1 NEW!
・カーバンクルの毛×2 + ギブリ麻×1 = 格闘家の服×1 NEW!
・鉄鉱石×10 + 銀鉱石×5 + アルミナ×5 =
・カーバンクルの毛×1 + シェルビーズ×100 = あぶない踊り子服×1 NEW!
・カーバンクルの毛×5 + ポムポム草×5 = クマの着ぐるみ×1 NEW!
装備品って言うから、剣とか盾とかそういったものかと思ったら、なんか服が多いなあ。
しかも変なのが混ざってるぞ……。
いや、待てよ……。
装着者に合わせてサイズが変更出来るって書いてなかったっけ?
ってことは……。
俺は目の前に立っているプゥルゥ役のゴーレムを視界に入れる。
これ、ゴーレム達に着せられるんじゃないか?
魔王役のゴーレムは既に服装は整ってるけど、その他のゴーレムはそのまんまだもんな。
服を着せてそれっぽく見せたいと思ってたところだし、丁度良い。
これを活用させてもらおう。
必要な素材は見たことあるものがほとんどだ。
そうでないものもダンジョン建設や食材採取のゴーレム班から常に新しいものが上がってきているから、その中にあるかもしれない。
ざっと見た感じでは然程、労せず作れそう。
あと、カーバンクルの毛、万能すぎ!
じゃあ、どれを誰に着せるかだけど……。
まず格闘家の服はキャスパーっぽいから、彼役のゴーレムに着せるのは決まりでしょ。
魔法使いの服は、なんかちょっと違う気もするけどシャル役のゴーレムかな? 死霊とか喚び出すのが召喚魔法っぽく見えなくも無いし。ウィル・オ・ウィスプもファイアボールっぽいかも。
クマの着ぐるみは……プゥルゥだろうな。もともと不定型なスライムだし、いくらゴーレムが演じても見た目が違いすぎる。だったら、思い切って変なやつがいいかもしれない。
最後は……あぶない踊り子服だけど……これは一体、どんな見た目なんだろうか。
消去法でアイル役のゴーレムってことになるけど、あながち間違ってはいない感じがするのは気のせいだろうか。
と、まあこんな感じかな?
あとは実際に作ってみてから考えよう。
それで、他に増えたレシピは……っと。
コンソールを弄って、合成レシピ欄を見てみると、何だかたくさん来ているようなので、ジャンル別にソートしてみた。
[合成レシピ(家具)]
・木材×5 + ポムポム草3 = 木のベッド(シングル)×1 NEW!
・木材×3 = 木のチェスト×1 NEW!
・木材×2 = 木のイス×1 NEW!
・木材×4 = 木の丸テーブル×1 NEW!
・木材×2 + カーバンクルの毛×1 = コタツ×1 NEW!
家具か。
すごく実用的でいい。生活を豊かにするものだしね。
それに、ほとんど木材で作れるからお手軽だ。
ダンジョンに個室を作ったら、そこに置こう。
あと何気にコタツとかいう現代的な物が混じってるんですけど!
そんなに寒くないから今の所はいらなそうだけど……。
使い道あるんだろうか?
えーと、これ以外には……。
「おっ、今回は罠アイテムのレシピが結構、来てるぞ」
思わず、そう呟いた時だった。
「ええっ! どんな罠ですか!」
突如、耳元で期待に溢れた声が上がった。
「うわあっ!?」
驚いて振り向くと、そこにはいつの間にやらアイルが立っていた。
しかも彼女の顔は、新しい玩具を前に待ち遠しそうにしている子供のようだった。
音も無く現れると心臓に悪い。
というか、どこから来たんだよ。
罠という単語を聞いたら、どこからでも駆け付けられるような地獄耳でも持ってんの?
この間もアイルは、俺がいつ新しい罠の話をしてくれるのか目を輝かせて待っている。
ほんと、罠好きだよな……。
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