穢れた本当

真っ黒な言葉たちが僕を埋め尽くした。

どこが始まりだったかな。

僕に綺麗な洋服ことばをくれたのは誰だったんだろう。

それを探した時

黒く艶めく僕の吐息を、ただの濁った嘘に変えた

あの子が、

僕の後ろに立っていた。

大好きだった、あの子が僕の、後ろに。

手を握った、抱きしめた、キスをした、

セックスだって何度もした。

それでも奪えなかった心の持ち主。

僕がどうしても欲しかった、

たった一つの心の持ち主。

たった一度だけ彼女から僕を抱きしめてくれた事があった。きっとあの時だ、君の中から沢山の色を貰ってしまった瞬間。

僕が濁り始めたのはあの時だ。

あの一瞬がなければ僕は艶めく黒だったのに

光すら写せない真っ黒に変わった

これが僕の穢れた本当

この先も消せない、消したくない、汚れ

まるで嘘かのような僕の汚れ。

綺麗な嘘つきが

汚い愛しか伝えられなくなったお話



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純粋な嘘・穢れた本当 @Lilly_Gracie

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