純粋な嘘・穢れた本当

@Lilly_Gracie

純粋な嘘

大好きだよ。

ずっとそばにいるよ。

一番だよ。

傷つけてごめんね。

早く会いたいよ。

綺麗な言葉が僕の唇からたくさん、

こぼれ落ちた。

なんの意味を持たない、ただ綺麗なだけの言葉。綺麗な洋服を着せた、真っ黒な言葉。

それだけが僕にできたこと。

そんな事に気づきもせず、

君たちは僕に赤い言葉をくれた。

いや、気づいてたのかな?

そんな事どうでもいいか。

真っ赤な言葉。

ありがとう。私も好きだよ。優しいね。心配かけてごめんね。大丈夫、一緒にいようね。

赤く色づいた言葉たちは僕を責め立てる。

最初は気づかなかった。自分の言葉の綺麗さに、黒く艶めく綺麗な僕の吐息に。

少しだけ僕の言葉を知った。少し濁った先の見えない黒い僕の言葉。

全てが見えた。汚く濁って塊になった

僕の

純粋な

真っ黒な嘘

大好き、と言えば喜んで貰えた

ずっと側にいる、と言えば信頼が貰えた

一番だよ、と言えば愛が貰えた

傷つけてごめんね、と言えば優しさが貰えた

早く会いたいよ、と言えば性が貰えた

でも、心を奪う言葉は僕の中には無かった。





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