第3話 思い出すまで「その格好で!!」 2
言うことをきかせたい時にあなたならどのような対処をしますか?
もちろん、1人1人が同じ答えというわけではないから十人十色だと思う。
でも核となる物はある。
1つ目はお願いすること。
やっぱこの方法が相手にも配慮しているし、受け入れやすいものであると思う。
自分の中に自尊心があったら、なかなか自分を下げて頼めないだろう。
まぁ、現代社会において出世したくないなんて言う人の方が稀だからほとんどが上の立場の人に従うのだが…。
2つ目は命令すること。
これは1つ目の上の立場にあたる人がすることだ。
基本的に命令口調で、これやれあれやれと言われるとなんかムカつくよね。
そう、1つ目に比べるといい気は絶対にしない。
ましてそれは命令する人だって例外ではないと個人的には思っている。
…とここまで人に言うこときかせる主な方法? について触れてきたわけど言いたいことが見えてこなかったよね。話も繋ぎが変だったから何かと思うのも当然といえばそうなのかもしれないが…。
ではここで端的に物申したいことを話します。
えっ、物申すってこの社会に向けて何か意見すんの? と誤解されてしまいますが…実は僕、「女の子にされてしまいました」ので。
……。
みなさんが何を言いたいのか、おおよそ予想できてしまうのがなんか怖いです。
ではここからはあのあと何が起きて今の状況になっているか振り返るとしましょう。
―――――――――――――――――
主観「キリュア」
逆境の潮汐。
潮汐というのは海面が周期的に昇降する現象のことを指す。
逆境はいうなれば、表と裏という感じだろう。
けどそれは人の性格というわけではないの。
もっと具体的に説明すると、「現世と前世」と言った方が適切かもしれないね。
現世を表面の鏡に映るものとすれば、前世が自分の後ろ姿を映す鏡と言える。
これは魔法であり、効果を発揮する。
その効果とは…。
空に書いたスペルが体を包む。
やがて光の粒が現れて頭上ではじける。
太陽がそこにあるような感覚に目を伏せたが、隙間からこれでもかといわんばかりに差し込んできた。
目を閉じてもなお、その光は存在感を放っている。
「ほらほら! 目を開けてごらん。スゴイよ」
先程まで体全体を包んでいた光が消え、徐々にその姿が鮮明になってくる。
「あ、ああ、アアああうぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
……そこには絶世の美幼女がいた。
なにやらえらく驚いているようで自分の体をじっと見ている。
体が小さいから男子制服の大きいサイズは不釣り合いになり、萌え袖へと。そこがまた純粋無垢な感じを際立たせていて…愛らしい。
「どうしてどうして!? ひどいよ。僕は君に何もしてないのに…こんな」
…ムカっ。
そんな鈍感さんだからだよ! とは言えないし心の中にしまっておくとしよう。
「今、あなたにかけたのは前世を思い出させるものです」
「いらないよ、そんなの!!」
「問答無用です。…あと私にはかけることはできても解くことはできないからね」
上総君、いやもうちゃん付けしたほうがいいのかな。
いやはや、でもやっぱり改めて思っちゃうよね。
たとえ不確実で現実的な話じゃないにしろ、その姿を見てしまうと。
心なしか、今の女の子の方がルノスに似ている気がする。
………といっても、『勇者だったころの』だが。
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