山草さん家のはらい者編

乾燥味噌汁、トッカ

 ☆前書いた原稿の方が少年少女のスピードに合っていたことに気が付いてしまったの。


「え?」

「え?」

 食い違う両者の意見。

 くちばしのある……亀? でもちょっとしおれているような?

「どっちにしろ……水生動物で間違いなさそうだね? 知らないけど」

「そう、だね? 知らないけど」

「そうすると、目の前の……えっと、未確認生命体は……干からびているって解釈で合ってる?」

 つんつん。

「うん」

 つんつんつん。

「干物だ。乾燥味噌汁みたい」

「……乾燥味噌汁?」

「うん、乾燥味噌汁」

「乾燥味噌汁……」

「どうしたの?」

「いや……」

 あえて黙っておくよ、夢丸。

「それで? どうすんの? これ」

「どうするったって……うーん……」

「もどす?」

「……そうだな。もどしとくか」

 もどすって何だ? とか思いつつ。そこら辺に転がってたバケツに池の水をたっぷりくんで、そのままざばざばとかける。

 乾燥味噌汁を意識してちょっとぐるぐる回しながらかけてみた。

 夢丸はその様子を楽しそうに見つめていた。

「これでもどるかな?」

「乾燥味噌汁ならもうもどってるよ」

「人間の技術力はすごいねえ」

「そっか。夢丸は乾燥味噌汁のこと、名前しか知らないのか」

「憧れてるんだよね」

「じゃあ今度ばあちゃんに相談してみるよ」

「また忘れないでよ?」

「もう一回失敗してるから、多分大丈夫だよ」

「多分って……」

 そう言ってからからと苦笑いした夢丸。ふと何かに気づいた。

「そういえばさ、和樹」

 この展開。どこかで見たことある。

「あの干からびた生き物は?」

「ん、どこってそ……」

 ……こにいるはずないですよねー。

 皆さんお察しの通り。そこにさっきのくちばしのある亀の姿はない。

「え」

 ――そう言った瞬間!

 ガサガサガサガサ!!

「「ひいいいいいいっ! お化け!!」」

 何かが高速で動いてる!

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