校長先生、文字数が

 頭からネガティブを追い出して必死に考える。

 宛先はどうでも良い過去。記憶の中のそこかしこをまさぐってここにいる正当な理由を探り出そうとする。

「おや、どうしました。悩み事ですか」

「あ、校長先生」

 頭を抱えてうんうん唸ってた私を心配したのか、校長先生が話し掛けてきた。

 嫌な所を見られてしまった。だからといって無視したりはしないけど。

「悩むのは大いに結構。子どもは冒険心が大切です」

「冒険……出来たら良いのに」

「……何かありましたか」

「ちょっと、人間関係で嫌な事が」

「ほう」

「もう何て言うか、遠くに行っちゃいたいんですよね。あいつらと鉢合わせする心配が全くない未知の世界に」

「未知の世界、ですか」

「ええ。絶対悪いのはあいつらなのに、いつの間にか私の方が悪いみたいになってて。……いや、確かに手をあげちゃったのは私なんですけど、それでも……それでも何かおかしいというか、理不尽って言うか……」

 言ってて分かる。滅茶苦茶言ってる。

 ちゃんと意味をなした文字列を言えてるかどうか凄く心配。

 それ位頭の中が怒りと悔しさでぐじゃぐじゃしてた。

 でも校長先生は全部静かに頷いてただただ聞いてくれた。

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