父と母の会話
「セイラちゃん、大丈夫かしら?」
とバニーはこの場にいないセイラのことを心配する。
「どうした?バニー?」
「…最近、セイラちゃん浮かない顔をしていることが多いのよ。何かあったのかしらって思って。でもこの頃の子って話してくれないことが多いじゃない?とくにセイラちゃんあんな性格だし…」
というバニーにラビは「あー…」と納得の声を漏らす。
「気にしてるのかな~。あのことを」
「あのこと?」
バニーは少し考えた後、何かを思い出す。
「もしかして…セイラちゃんの体質」
とバニーがつぶやくとラビは「たぶんな」とうなずく。
「セイラは生まれつき、魔力が少ない。一度使い切ると魔力の回復に時間がかかる」
「それをずっとコンプレックスにしてる…ってこと?」
「ああ。それに、あいつはコンプレックスを抱いてることを周りに知られたくない。それを隠すために、人にあたりが強くなっていったんだと思う」
ラビはそれが原因かもしれないなとそう言った。
「そんでたぶん、ユウにいたいところを突かれたのかもな。だから今ここにいないのかも」
「ああ!だからユウちゃんってばさっき、『俺が原因かもしれないから追いかけてくる』って言ってたのね」
二人は笑いあう。
「セイラちゃんってほんと、鈍感よね」
「でもそこが可愛いんだよな。それにみんなも気づいているだろうよ、セイラの努力はちゃんと報われているって」
「ええ、こと体術に置いてはセイラちゃん、同世代では一番実力を持っているからね。育てたあなたも鼻が高いでしょ?」
バニーはラビの方を見やり、そう言う。
『雪花の白兎』の体術の指導はほとんどラビが行っているといっても過言ではない。
「ああ、そうだな。今じゃあ、俺セイラに負けそうでちょっと焦りそうだ」
「あなたも日々精進ね。副ギルドマスター」
バニーのその言葉にラビは…。
「はい、その通りですね。ギルドマスター」
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