ようこそ、ギルドへ

俺とエルはギルドへ向かう。

するとサクラが真っ先に気づき、俺らの元へ寄る。

エルは恥ずかしがって俺の後ろに隠れる。


「あら?ユウの後ろにいる子が…もしかして?」


サクラは俺にそう聞く。

俺はそうだと頷く。


「きゃー!嬉しい!可愛い子だわ!私、サクラ・コノエっていうの!あなたのお名前は?」


と嬉々とした顔でサクラはエルに名前を尋ねる。


「エル…。エルミラ・アンジェラ」


とまた恥ずかしそうに名乗る。


「エルミラって言うのね!素敵!なんだか天使みたいな名前。可愛らしい見た目のあなたにピッタリね!」


サクラがそういうとエルはさらに顔を赤くさせる。

そして小さく「ありがとう」と言っていたのを俺は聞き逃さなかった。


「ユウ、ギルドの案内は私がしてもいい?」

「俺は別に構わないけど…。なんで俺に聞くんだ?」

「だって今のところ、エルがなついているの母さんを除いてユウだけだし。それに、早くエルと仲良くなりたいしね!」


 サクラはエルににこっと微笑みかけながら言う。

 エルは「私も…。お願いします」とつぶやいてサクラについていくことにしたようだ。


「ただいま~!」


 と母さんもどうやら用事から帰ってきたようだ。


「ユウちゃん、エルちゃんのお迎えありがとね。なんかいろいろ遭ったようだけど…とにかく無事でよかったわ」

「俺も、内心焦ったけどなんとか助けられてよかった…」

「おっ?どうした?何かあったのか?」


 と、父さんが俺に聞いてくる。


「俺がウララ城にエルを迎えに行こうとしたとき、エルが人攫いに遭ってしまって…」


 と俺がそう言うと、父さんは顔を青ざめて「エル~‼‼‼」と叫びながら、エルとサクラのもとへすっ飛んで行った。

 当然二人はそんな父さんに驚く。


「んだよ、くそオヤジ。うるせえな…」


 セイラ…じゃなくてクロエが広場にあるソファから起き上がりながらそう言った。


「セイラちゃん…」

「あぁ?だからセイラって呼ぶなって言ってんだ…ろ?!」


 セイラがやばいという風に顔を引きつらせる。

 その原因はというと…母さんだ。

 そりゃそうだ、自業自得。

 サボってソファで寝てたんだもんな、母さんも起こるわけだ。

 セイラは母さんの拳骨を食らった。

 

「いってぇ~!?」


 とセイラの悲鳴も木霊した。

  

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