劇脚本

@2-7-4

第1話


********


進「俺の名前は小川進!京都府立佐賀高校に通っている高校二年生。部活である将棋部も勉強も全力投球!だけど・・・」(アナ)

(幕を上げる){教室}

1「起立、れい

全員「お願いします

先生「よし、テスト返すぞ。まあ、二年生最初のテストってだけあって取れる人と取れない人の差が開いたな。じゃ、名前呼ばれたら取り来てくれ綾部、伊藤、植木、小川、柴田、三木、和久」

進「えっっっっっ!27点だって・・・!」

(スポット元に戻す)

先生「平均点は51点!26点以下の奴は赤点で補修有るから覚悟しとけよ」

生徒複数「えー」

研「進、点数どうやった?」

進「27点、赤点ギリギリ回避ってところだな。やっぱ二年になってとたんに難しくなったな、ところでお前は?」

研「82点。お前じゃ相手になんないな。」

(スポットを進に向ける)

進「ウソだろ、今まではいつもおんなじ点数とっていたのに・・・どうしてだよおおお  おお(藤原口調で)」

(暗転、ほかの生徒どっか行くついでに机かたす){廊下}

進「はあ、」

逢「どうしたの、暗い顔して」 

進「先輩、お久しぶりです。実は、

逢「(被せる)なるほど、ひどい点数を取った上に研君にテストで負けてしまったの

  ね。」

進「!どうしてわかったのですか?」

逢「この時期はそうなる人が多いのよ。危なかったわね。でも、もう大丈夫。この成績優秀、文武両道、容姿端麗、才色兼備で有名なこの私にまかせなさい!

進「容姿端麗って・・・先輩、そもそも男ですよね

逢「だからどうした(男声)

進「イエイエナンニモアリマセンヨ

逢「うん、じゃあ本題にはいろっか。進君はいつもどうやって勉強してるの?

進「えーと、、、学校で出されたワークを見直した後、教科書の太文字をマーカーで引いておぼえたり、ノートをまとめているうち時間がたりなくなって・・・

逢「あまい」

逢机叩く

(進驚く)

逢「こんな勉強法じゃ研に勝つことはどころかどんどん落ちこぼれていく一方だわ!いい!本当の勉強を教えてあげる!1号!2号!出て来なさい!」

(クラスメイトモブ2人出てきてホワイトボード持ってくる)

進「何で、あいつらが」

逢「知らないの?私のファンクラブ会員で、私の言うことを忠実に聞いてくれる僕(しもべ)たちよ!

進「でも先輩、さっきの人達も男でしたよね

逢「私の可愛さは性別を超えるのよ、じゃあ説明を始めるわね」

(スライドをつける)

逢「まず、勉強ができる人とできない人にはどんな違いがあると思う?」

進「うーん、才能ですかね」

逢「まあ、確かに才能も関係しているけど、一番重要なのは勉強法よ!具体的には、勉強した内容をどのくらい記憶に定着させるか、ということね」

進「じゃあ、長時間勉強すればいいってことですか?」

逢「それじゃあ、効率が下がって逆効果ね」

進「じゃあどうすればいいんですか?」

逢「効率よくやるのよ!習ったものを短い時間でスピード暗記するの!」

進「それはただ先輩が賢いからできるんじゃないんですか?」

逢「いえ、実は私もあなたと同じように点数がひどかった時があったのよ、そう、これは貴方と同じ高校二年生の時だった、、、」

(スポット少し落として進の台詞の後戻す)


進「あのぉ、先輩、回想シーン入らなくていいです(間をあける)でも、先輩はどうやってこんなに勉強ができるようになったんですか?」

逢「それはね、、、神験ゼミのおかげよ!」

(スライドを変える。※勿論「神験」の文字)

進「神験ゼミ、ですか?」

逢「ああ、神験ゼミは毎月オリジナルの教材が配布されるの。この教材は語呂合わせやイラストを駆使して覚えやすくしてあるから、これを使ったら高得点間違いなし!」

進「そんな教材があるなんて、、、」

逢「進君も入会すれば?今週までに入会すれば特典として特製三角比暗記表、円周率100桁リストバンドまでついてくるわ!

進「そんな特典まで!!分かりました、先輩!ありがとうございます!」


(暗転){家}


進「ただいま」

父「おう、お帰り」

進「あれ、母さんは?」

父「今出かけている。

進「なあ、父さん、聞いてくれる?」

父「何だ?」

進「父さん、俺、神験ゼミ始めたいんだ!」

父「ん、どうしたんだ、急に。?」

進「実は、(スライド使う)この前のテストもそうだったけど、テスト前覚えることで手いっぱいだったせいで、演習をする時間が足りなかったんだ。でも神験ゼミなら暗記を隙間時間にすることができるんだ!部活も頑張りながら好成績を取るなら神験ゼミしかないと思ったんだ」

父「そうか、でも、通信教材ってためこんで、そのままやめてしまうって話をよく聞くが、」

進「大丈夫。短時間でできるからメリハリをつけてやることができるんだ!」

父「なるほど」

進「しかも値段は塾よりも安いんだ!」

父「あれ、でもあまり変わらなくないか?」

進「そこは、、、(間を開ける)とりあえず、俺は部活も勉強も両立できる格好いい人になりたいんだ!」

父「いいだろう、せっかくお前がやる気を出してくれたから。母さんにあとで俺が説得しておこう

進「父さん、、、ありがとう!!

父うなずく

進「じゃあ、早速申し込みを・・・(ポチっ)(運送屋ドア前で待機、右SEでchime押す)

{チャイム}

郵便屋「かたつむり印の運送屋でーす。ゼミ教材のお届け物にきました

父&進「はやっ

{受け渡しをする、箱の中取り出す}

進「これが神験ゼミの教材か、よし!じゃあ早速やってみよう。

**(照明進に、道具片付ける)**

進「そして俺は神験ゼミに入会した。(アナ)


**(暗転、舞台{教室})**


T「期末さんざんな結果の人も多かっただろ。今日は復習もかねてやさしめに行くぞ。この問題分かる人?

生「先生この問題難しくないですか?

T「やかましい!」

進「ん?あ、これ、神験ゼミで出たところだ!」

(進手を挙げる)

進「はい」

T「お!進か、じゃあ頼んだ!」

進「答えはx=1、2、ー3です

正解だ、よく復習しているようだな!

生「おお~、スゲー」

生「やりますねえ!」


T「それじゃあ、突然だが抜き打ちテストするぞ。

生徒「えー 

T配る

T「それじゃあ開始!

進「お、分かる!分かるぞ!今までと違ってすらすら解ける!」アナ

(スポット進から研へ)

研「あれ?おかしいな。全然分からない。」

(スポット戻す)

T「はい終了。回収してくれ。(集め終わったら、SEchime)よし、今日はここまで。みんな部活頑張って来いよー」(立ち去る)

研「テストどうだった?」

進「かなり好感触だったぜ」

研「良かったじゃん。ところで進、最近勉強の調子が良いけどなんかやってるのか?

進「ふ、実はな、神験ゼミを始めたんだ」

研「ああ、やっぱりか。実は俺も6月くらいに先輩にすすめられて始めたんだ。おかげで、この前いい成績をとることができたんだ。」

進「そっかあ、やっぱり先輩の言う通り神験ゼミってすごいんだな、、、俺もこの間の期末で高得点取れてるといいんだけど」

研「確かに難しかったけど、まあ、いままでみたいになんとかなるだろ」

(この間、生達新聞を持って話をする素振り)

4「そういえば研君と進君って、11月に大会出るってホンマ?

進「おう、そうだよ

1「やっぱな、新聞にも名前載っとったもんな。すごい。

研「部活でも最近メキメキと棋力が上がってきてるよな

進「神験ゼミのおかげで時間をうまく使えるようになったから、オンオフの切り替えがうまくなったんだ、研、部室行こうぜ!

研「おう!


暗転

(チャイム鳴らす)

先生「最後に昨日のテスト返すぞー、綾部、伊藤、植木、小川、柴田、三木、和久・・・」

(それぞれ取りに行く、進テスト開いてみる、スポットを進に向ける。チャイム鳴る)

「わるいが用があるから挨拶は省略する。それぞれ解散だ

進「やったー、98点だ!自己ベスト更新したぞ!なあ研、どうだった?」

研「、、、52点」

1「え~、まぢで?お前、このまえ進に点数自慢してなかった?」

4「そうそう、俺は78点 お前ごときじゃ相手にもなんないね。とか言うてた

2「ははは、だっさー。チョーシ乗った天罰が下ったんじゃね(残りも笑う)

進「おい、やめろよ」

研「チッ。るせえな。(椅子を蹴って出て行く)

進「ちょ、待てよ(キムタク風)。

{廊下出る}{進、研を捕まえる}

進「おいおい、どうしたんだよ急に教室出て行ったりして」

研「あいつらの言うとおりだよ、やっぱ俺みたいな奴がイキって神験ゼミなんかやるからこんな目に遭うんだ。、、、やっぱり俺ゼミやめるわ」

進「は?いやいや、なにいってんだよ。あいつらなんかの言うことなんて真に受ける必要ない!おまえ、考え直せよ。前回はちゃんと点数取れてたじゃないか」

研「もう手遅れなんだよ。じゃあな」

(手を振り払って研どっかいく)

進「おい、待てよ、、、(立ち尽くす)」


(生徒1,2廊下を歩く)


3「ねえねえ、研君って知ってる?」

6「知ってる知ってる!期末で友達にぼろ負けして逆ギレした人でしょ。

5「そういえば、同じクラスやったやんな。それでどうなっちゃったん、彼」

3「それがね、そのまま学校来なくなっちゃったらしんだって」

5「え、ほんまに!

6「自業自得やん、うける~」

{後ろから進登場、話を聞いて落ち込む。向かいから生徒と入れ違いで先輩登場}

逢「聞いたわ。研のこと。悪いわね、私のよけいなお節介のせいでこんなことになちゃうなんて…

進「あまり気になさらないでください、それよりもあいつを元に戻すためのお力添えをお願いしたいのですが

逢「もちろん!そうさせてもらうわ。ただその前に伝えておかなくちゃいけないことがあるの。ちょっとこっちに来て」

(先輩、進に伝える)

進「わかりました。では行ってきます!」(駆け出す)

T「(通りかかった先生)おいっ、どこに行く

逢「彼は行きました。たった一人の親友を救うために」

T「ちょっと何いってるかよくわかんないっすね」

(進戻ってくる)

進「先輩、俺、親友は他にもいるんで!」

(進また走っていくT追いかけようとするが先輩に止められる

暗転{家}

(進と研、扉を隔てて会話)

進「どうしたんだよ、いきなり学校にも来なくなって。みんな心配してるぞ

研「もう、ほっとけよ。俺なんか

進「そんなことない、仮にお前を笑うやつがいても次のテストで高得点取って見返してやればいいだろ!」

研「俺なんかが…

進「出来る!実はな、先輩はもう神験ゼミに入っていないんだ。

研「え?

進「人にお勧めしといて無責任だと思うだろ。ただあの人にはあの人なりの思惑があったんだ。 

(逢声だけ)

逢「実はね、入った直後は成績が上がったのだけれど、その後、胡坐をかいていたら一気に 落ちぶれてしまったの。そう、今の研君みたいに。そのあとは死に物狂いで勉強し直し  た。勉強習慣を見直して改善したり、効率的に勉強する手段を探したり、そうした積み重 ねで今の私ができているの。研君にだって、自分にあった勉強方法があるはずよ」

研「そうか、今まで自分は、何も考えずに勉強してきた。親から塾に行けと言われたから塾 に行ったり、先輩からゼミを勧められたから入会したりして、盲目的に、ただ勉強してい ることだけがえらいことだとおもって勉強していたんだ。でも、そうだ、自分には自分の 勉強方法がある。俺はなんでこんなことに気付かなかったんだ!

進「やっとできたな研、さあ一緒に勉強しよう

研「進、、、」


進「あれから俺らは一緒に猛勉強した。学校に戻ってきた研を笑う人も居たけれど、先輩や、先生の手助けもあってきちんと復帰できた。そして、あれから半年が過ぎた。

照明

T「それじゃあ、今日はこのまえのテスト返して授業はおしまいにするぞー。」

進「きたな。

研「ああ、ついにな

T「じゃ、名前呼ばれたら取り来てくれ綾部、伊藤、植木、小川、柴田、三木、和久・・・

(それぞれ取りに行く、進テスト開いてみる)

研「どうだった?」

進「ふふふ、聞いて驚け、100点だ!」

研「そうか、、、」

研黙る

研「実はおれもだけどな!」

進「おー、やったな!」

T「今回満点が2人も居て先生とても誇らしいぞ!

モブざわざわ

T「みんなしっかり復習して次のテストに臨んでくれ。今日の授業はこれでおしまいだ」

進「しかし、すげーな、おまえ前回のテストの倍じゃん

研「いや、、、進のおかげだよ。進があのときおれに勉強しようっていってくれたからこんなに良い点数が取れたと思うんだ

進「ああ、やっぱ2人して猛勉強した甲斐有ったな。次も満点目指して頑張ろうぜ

研「おう

逢「仲直りできたのね、よかったよかった

研「先輩!あの時はありがとうございました

進「あ、そういえば、実は一つ気になっていたことがあるのですが

逢「年齢とか聞くなよ

進「先輩はどうしてゼミをやめていたのに俺たちに神験ゼミをすすめたのですか?

研「ああ、確かに

逢「うーんと、あれは嘘よ。そう言うとことがうまく運ぶと思ったの。今でも私はゼミをやっているわ。」

2人「え、え~

暗転、キャスト固まる

進「(前に出てくる)勉強方法は人それぞれだ。塾にいく人もいるだろうし行かない人もいる。コツコツ勉強する人や一夜漬けで高得点を取る人だって居る。ただ、一つ今日の物語を通して伝えたいことがあります「正しい努力は人を裏切らない」この言葉を信じて、新しい自分になってみませんか?(皆出てきてカーテンコール)


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